事業内容
同社は、事業者と消費者を結ぶ決済サービスを中心に、決済・認証事業を展開しています。単一セグメントであるため、サービス別に事業内容を紹介します。
まず、マルチペイメントサービスは、紙を使ったビリングサービスと、電子的に代金回収を行うE-ビリングサービス、事業者から顧客への送金を効率化する送金サービス、決済システムのSaaSサービスや情報処理システムの開発を含むその他サービスで構成されています。これにより、事業者はシステム開発のコストと時間を大幅に削減できます。
ビリングサービスには、収納代行サービスと発行代行サービスがあります。収納代行サービスでは、バーコード付払込取扱票を使用して売掛金の回収を代行します。発行代行サービスでは、請求書の印刷から郵送までを代行し、入金確認も行います。これにより、物流を伴わないサービスの代金収納が効率化されます。
E-ビリングサービスは、請求書の作成や郵送を行わずに、コンビニのKIOSK端末やPOSレジ、ATM、ネットバンキングを利用して決済を行います。これにより、事業者は個々の収納機関との契約を省略し、さまざまな決済手段を提供できます。
送金サービスには、ネットDE受取サービスとコンビニ現金受取サービスがあります。ネットDE受取サービスでは、インターネットを利用して効率的に振込を行い、事業者の事務負担を軽減します。コンビニ現金受取サービスでは、顧客がコンビニで現金を受け取ることができ、事業者は口座情報を持つ必要がありません。
さらに、支払秘書というスマートフォンアプリを活用した電子マネーサービスも提供しています。これにより、公共料金や通信料金、ECサイトの支払いが簡単に行えます。また、「バスもり!」というアプリは、バスの予約・購入をスマホで完結できるサービスで、鉄道会社への提供も拡大しています。
その他、特定の事業者向けにカスタマイズしたサービスや、電子チケットの認証ソリューション、プリペイドカードのオンライン販売、各種申込サービスも行っています。これらのサービスは、コンビニのPOSレジやKIOSK端末と連携して提供されます。
経営方針
undefinedは、オンライン決済市場における成長戦略として、決済サービスのコモディティ化に対応するため、事業者のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するクラウドサービスの拡充を進めています。特に、スマホ決済アプリ「支払秘書」を通じて、主要都市銀行との接続を完了し、利便性を向上させています。また、電子マネーの組み込みを進め、交通事業者向けのクラウドサービスとの連携を強化しています。
交通事業者向けのIT化プロジェクトも積極的に推進しています。スマホ電子チケットアプリ「バスもり!」は、バスや鉄道の路線での利用が拡大しており、非対面での購入が可能なスマホ定期や回数券の利用が増加しています。また、交通事業者向けクラウドサービス「アルタイルトリプルスター」は、業務の自動化を実現し、全国のMaaS基盤としての利用が広がっています。
undefinedの主力決済商材である「マルチペイメントサービス」と「送金サービス」は、非対面決済の需要が高まる中で成長が期待されています。30年以上の実績を持つ同社は、決済機能の拡充を目指し、ファミリーマートでのスマホバーコード決済「stanp」の採用を皮切りに、他のコンビニへの展開を進めています。
地域貢献活動として、undefinedは北海道の学生を支援する奨学金制度を設立し、経済的困窮による退学者を減少させています。また、スポーツ振興にも力を入れ、オリンピック出場を目指す選手を社員として支援しています。さらに、札幌本社の新社屋は「WELL認証」プラチナを取得し、従業員の健康と生産性向上に寄与しています。
2025年6月期の業績予想では、コロナ禍からの回復を背景に、売上高12,000百万円、経常利益1,500百万円、当期純利益1,000百万円を見込んでいます。株主還元として、2024年6月期の期末配当は22.15円、2025年6月期は26.46円を予定しています。