事業内容
内外トランスラインは、国際貨物輸送事業とその付帯サービスを主軸に展開している企業です。事業は「日本」と「海外」の二つのセグメントに分かれており、どちらも同一の事業内容を有しています。同社グループは、内外トランスラインを含む国内2社と海外11社の連結子会社、さらに海外1社の非連結子会社から構成されています。
主な事業としては、NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)による国際貨物輸送事業が挙げられます。これには、輸出混載(LCL)、輸出フルコンテナ(FCL)、輸入混載(LCL)、輸入フルコンテナ(FCL)のサービスが含まれます。輸出混載サービスでは、少量の貨物を複数の輸出業者から集め、同じ仕向地ごとにコンテナに詰め合わせて輸送するサービスを提供しています。日本の五大港からは世界各地への定期便による海上混載サービスを行い、さらに清水、水島、広島、門司、博多からも同様のサービスを展開しています。
また、海外の顧客から預かった貨物を日本やその他の国へ輸送する業務も行っており、インドの子会社は総合フレイトフォワーダー事業を、韓国の子会社は倉庫業を主たる事業としています。これらのサービスは、顧客のニーズに合わせて海運、空運、陸運、倉庫、通関、梱包などを組み合わせた複合一貫サービス(Door-to-Door Service)を提供することで、国際総合フレイトフォワーダーとしてのサービスの充実を目指しています。
さらに、特殊な貨物の輸送や、日系企業の製造設備の海外移転に伴う三国間貿易に対応した輸出入輸送サービスも行っており、近年は倉庫業にも力を入れています。これらの事業を通じて、内外トランスラインはグローバルな物流ニーズに対応し、顧客に高品質なサービスを提供しています。
経営方針
内外トランスラインは、国際貨物輸送事業を核とし、総合物流業への事業領域拡大を目指しています。同社グループは、相互扶助の精神とお客様第一主義を経営理念に掲げ、質の高いサービス提供と安全で確実な輸送を世界に提供することに努めています。近年、製造設備の海外移転が進むなど、産業構造の変化に対応し、国際総合フレイトフォワーダーへの変革を推進しています。
具体的な成長戦略として、航空輸送、倉庫、通関等の事業に注力し、これらの売上高の比重を増やしています。また、アジアを中心に海外事業展開を加速し、きめ細かなネットワーク構築を進めています。2023年には第5次中期経営計画を策定し、2027年までに売上高700億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円を目標としています。
経営環境の変化に対しては、ウクライナ情勢や中東紛争による世界情勢の不安定化、インフレに伴う物価の高止まり等の影響を受けています。これらの不確実性の高い状況下で、同社グループは組織編制による効率的な営業体制の構築や、フォワーディング事業の拡大、海外子会社を通じた倉庫事業の活性化などに取り組んでいます。これらの戦略により、2024年下半期以降、再び成長へと向かうことを見込んでいます。
内外トランスラインは、国際貨物輸送事業の強化と事業領域の拡大、海外事業展開の加速により、グローバルな物流ニーズに応える総合物流企業への変革を目指しています。