事業内容
乾汽船とそのグループ会社は、外航海運事業、倉庫・運送事業、不動産事業の3つの主要な事業セグメントを展開しています。外航海運事業では、子会社や他社から定期用船した船舶による貨物輸送を自社運航で行っており、主にDELICA SHIPPING S.A.から定期用船を受けています。
倉庫・運送事業では、物品の倉庫保管、文書保管、貨物運送を手がけています。このセグメントでは、イヌイ倉庫オペレーションズ㈱が庫内作業を、イヌイ運送㈱が自動車運送と引越し業務をそれぞれ担当しています。特に、保税蔵置場の許可を受けた保管業務や、国土交通省の認定を受けた文書保管事業が特徴的です。
不動産事業では、勝どきエリアを中心に住宅や事務所など自社所有の施設を賃貸しています。これにより、乾汽船グループは多角的なビジネスモデルを構築し、様々な顧客ニーズに応えるサービスを提供しています。
これらの事業セグメントを通じて、乾汽船グループはロジスティクスと不動産の分野で幅広いサービスを展開し、顧客の多様な要求に対応しています。
経営方針
乾汽船は、2023年4月に新中期経営計画「不易流行」を策定し、2026年3月までの期間で推進しています。この計画では、資産の力を事業の力に変えること、楽しく働く環境の実現(FUN to WORK)、そして同社独自の「らしさ」の追求を経営の基本方針として掲げています。特に、勝どき・月島エリアの再開発を通じて、不動産事業の強化を図り、これを収益と財務基盤の支えとしています。
外航海運事業では、船腹の供給が難しい状況が続く中、船隊のフレキシブルな整備や既存スクラバー搭載船の延命を通じて、「よくはこぶ」力を維持し、Handy市場での存在感を増すことを目指しています。また、倉庫・運送事業では、自動化・ロボ化が難しいニッチな実需に対応し、2027年までに新たな業域を開拓することを目標としています。不動産事業では、勝どきエリアの再開発計画「Neo Plaza Kachidoki」を始動し、新しい「住みごこち」の実現を目指しています。
これらの戦略を通じて、乾汽船は持続可能な実業を目指し、地球環境問題への対応やより良い社会の実現に貢献することを目標としています。同社は、事業特性や中長期的成長を重視した経営資源の配分、財務基盤の3つのバランスを考慮した株主還元策を継続し、業績に応じた配当方針を採用しています。