事業内容
東京汽船は、曳船事業、旅客船事業、売店・食堂事業の3つの主要な事業セグメントを持っています。これらの事業は、同社とその関連会社によって運営され、多様なサービスを提供しています。
曳船事業では、曳船サービスや貸船サービス、海上防災事業、洋上風力発電交通船(CTV)の運航を行っています。東京汽船とその連結子会社である東港サービス株式会社が主に曳船サービスを提供し、所有船舶の貸船も行っています。また、東亜汽船株式会社や防災特殊曳船株式会社などの関連会社も曳船やCTVを用船しています。さらに、香港では持分法適用関連会社のSOUTH CHINA TOWING CO.,LTD.が曳船事業を展開しています。
旅客船事業では、カーフェリー事業と観光船事業を手がけています。連結子会社の東京湾フェリー株式会社が久里浜~金谷間のカーフェリー事業を運営し、株式会社ポートサービスが横浜港での観光船事業を行っています。これにより、地域の交通と観光を支える重要な役割を果たしています。
売店・食堂事業は、カーフェリー事業に関連した物品販売やレストラン、食堂の運営を行っています。フェリー興業株式会社がこの事業を担当し、乗客に対して快適な旅の提供を目指しています。これらの事業を通じて、東京汽船は多様な海上サービスを提供し、地域社会に貢献しています。
経営方針
東京汽船は、曳船事業を中核に据え、東京湾全域で船舶の安全航行を支援し、海上交通の効率化と海洋環境保全に貢献しています。具体的には、浦賀水道や中ノ瀬航路でのエスコート業務、東京湾各港での船舶の離着桟補助業務、LNGバースでの警戒船業務、防災業務、緊急出動・海難救助など、多岐にわたる曳船サービスを提供しています。
同社は、洋上風力発電向けの交通船事業を展開し、成長が見込まれる分野での事業拡大を図っています。また、旅客船事業では、神奈川県と千葉県を結ぶカーフェリー定期航路や横浜港での観光船事業を通じて、地域の水上モビリティを提供し、地域社会に貢献しています。これにより、海上での人の安全確保にも寄与しています。
成長戦略として、東京汽船は曳船事業の再構築やグループ会社の再建を進め、設備稼働率の向上や船隊の効率的な運用を目指しています。さらに、電気推進化や代替燃料の使用を進め、環境負荷の低いタグボートを導入することで、脱炭素化を推進しています。デジタル化による曳船スケジューリングの最適化も図り、365日・24時間のオペレーション体制を強化しています。
また、洋上風力発電関連事業を本業の一つとして成長させるため、安全で機動的なオペレーション体制の構築と提供サービス範囲の拡大を進めています。これにより、各地で計画中の洋上風力発電プロジェクトの案件獲得を目指しています。これらの施策を通じて、東京汽船は海事関係者、一般顧客、社会に貢献する企業グループを目指しています。