事業内容
飯野海運株式会社(以下、同社)とそのグループ企業は、外航海運業、内航・近海海運業、および不動産業の3つの主要な事業セグメントを展開しています。2023年3月31日現在、同社は65の連結対象子会社、8の持分法適用会社、および9の連結対象外の関係会社を有しています。
外航海運業では、船舶の運航、貸渡、用船、管理、海運仲立業、代理店業を手掛けています。このセグメントにおける主な関係会社には、AZALEA TRANSPORT S.A.(船舶の貸渡)、イイノマリンサービス株式会社(船舶の管理)、イイノエンタープライズ株式会社(海運仲立業)があります。
内航・近海海運業においては、船舶の運航、貸渡、管理を行っており、イイノガストランスポート株式会社が主な関係会社として挙げられます。このセグメントでは、国内および近隣諸国への海運サービスを提供しています。
不動産業では、ビルの賃貸、管理、倉庫業、不動産関連事業を展開しています。イイノ・ビルテック株式会社(ビルの管理)、泰邦マリン株式会社(倉庫業)、株式会社イイノ・メディアプロ(不動産関連事業)、IKK HOLDING LTD(海外不動産業)が、このセグメントにおける主要な関係会社です。
これらの事業セグメントを通じて、同社グループは幅広いサービスとソリューションを提供し、多様な顧客ニーズに応えています。
経営方針
飯野海運株式会社(以下、同社)は、2023年4月からの新中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」を策定し、その実行に向けた戦略を展開しています。この計画は、外部環境の変化に対応し、持続可能な未来に向けた果敢な挑戦を目指すものです。同社は、ポートフォリオ経営とカーボンニュートラルへの挑戦を重点戦略として掲げ、長期目標「IINO VISION for 2030」を受け継ぎつつ、経済的価値と社会的価値の両方の向上を目指しています。
具体的には、同社は前計画比で2倍超の約1,000億円を新規・成長事業への投資に充てることで、持続的な成長を実現する最適な事業ポートフォリオの構築を目指します。また、投下資本利益率(ROIC)を新たな経営指標として導入し、資本収益性の向上と事業間のシナジー創出に注力します。さらに、カーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、実行可能な温室効果ガス削減施策に取り組むことで、脱炭素社会への貢献を目指します。
人的資本の強化や人権尊重への対応、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応加速も重要な戦略の一環です。同社は、スタートアップとの協働を通じて課題解決を図り、新たに専門部署を設置してDXへの取り組みを一層強化しています。
このように、飯野海運は経済的価値の向上と社会的価値の創造を目指し、持続可能な成長を追求する戦略を推進しています。同社の取り組みは、外航海運業、内航・近海海運業、不動産業という3つの主要事業を核としながら、新たな価値を提供し続けることで、変化する経営環境に対応していく姿勢を示しています。