事業内容
第一商品グループは、金融商品取引業と金地金取引を主軸に展開する企業であり、その事業構造は大きく二つのセグメントに分かれています。第一セグメントは投資・金融サービス事業で、子会社の第一プレミア証券株式会社が第一種及び第二種金融商品取引業者として機能しています。このセグメントでは、証券取引所や金融商品取引所の上場有価証券や商品に関する受託業務や自己売買業務を行い、日経225先物、商品関連市場デリバティブ取引、くりっく365、株式(現物・信用)、外国株式などの取引を提供しています。
第二セグメントは金地金事業で、金地金の販売及び買取を主業務としています。この事業では、第一プレミア証券株式会社が主に対面での1キログラムバーの取り扱いを行い、関連会社クラウドバンク株式会社の子会社である日本クラウド証券株式会社がインターネットを通じて少額(1,000円から)の売買を可能にしています。さらに、Kinka(BVI)Ltd.は海外でブロックチェーン技術を活用した金投資需要の取り込みを行っており、第一プレミア証券株式会社と日本クラウド証券株式会社は、金地金の仕入れと販売を第一商品から行っており、同社はグループ外から金地金を調達し保管しています。
経営方針
第一商品グループは、金融商品取引業と金地金取引を軸に、企業理念「人と社会に貢献し、価値を創造する」を掲げ、組織風土の改善と社会貢献を目指しています。2020年には、内向きかつ閉鎖的な企業風土からの脱却と、ステークホルダーへの貢献を強調する新たな方針を打ち出しました。これに伴い、人の役に立つこと、社会の役に立つこと、そして感謝の心を持って取り組むことの三つの指針を設けています。
同社は、従来の金ビジネスに新たな価値観を加えることで、社会ニーズに応える方針です。具体的には、国内外での販売チャネルの多様化、インターネット販売、暗号資産を用いた販売など、新しい販売形式の探求を進めています。また、情報発信力の強化や新商品の開発、投資チャネルの提供を通じて、投資・金融サービス事業の枠を超えた新たな分野への挑戦も視野に入れています。
経営上の目標としては、健全な財務基盤の確保を重視し、自己資本規制比率の改善に努めています。また、商品先物取引事業の大部分を譲渡し、新たな収益源の確保と収益構造の再構築に取り組んでいます。第一プレミア証券株式会社の信用取引高の増加や、金地金事業の拡大を通じて、売上・収益の増大を目指しています。
優先的に対処すべき課題としては、投資・金融サービス事業の黒字化、金地金事業による収益力強化、安定的な収益構造の構築が挙げられます。これらの課題に対して、第一プレミア証券株式会社では接客サービスの向上や組織営業の強化を図り、金地金事業では海外の金地金需要の取り込みや金価格連動の暗号資産の開発・販売を進めています。さらに、M&Aを通じた新たな収益源の創造や企業価値の創出にも努めています。