カブドットコム証券

カブドットコム証券は東京都千代田区に本社を置く企業。前身となる「イー・サンワ株式会社」は1999年11月に設立。2001年4月に日本オンライン証券と合併し「カブドットコム証券」に社名変更。2005年3月東証一部に上場。2019年8月に上場廃止、同年12月「auカブコム証券」に社名変更。MUFGグループのオンライン証券会社として、有価証券の売買注文の媒介事業、募集・売出しの取扱い事業などを展開。

カブドットコム証券

カブドットコム証券は東京都千代田区に本社を置く企業。前身となる「イー・サンワ株式会社」は1999年11月に設立。2001年4月に日本オンライン証券と合併し「カブドットコム証券」に社名変更。2005年3月東証一部に上場。2019年8月に上場廃止、同年12月「auカブコム証券」に社名変更。MUFGグループのオンライン証券会社として、有価証券の売買注文の媒介事業、募集・売出しの取扱い事業などを展開。

事業内容

沿革・会社概要

カブドットコム証券株式会社(現・auカブコム証券)は、完全内製システムを強みに持つ専業ネット証券会社。

1999年11月に三和銀行(現 三菱UFJ銀行)グループが出資者となり、前身のイー・サンワは設立し、翌月に商号をイー・ウィング証券に変更した。2000年に証券業登録し、口座開設受付、証券取引サービス、新規公開株などの募集・売出株式の販売を開始。2001年に日本オンライン証券と合併し、商号をカブドットコム証券に変更する。2005年に東証1部へ上場。2007年に三菱UFJフィナンシャルグループの子会社となる。その後、2009年にOEM日経225先物取引の取扱を開始し、2010年に業界初の取次処理速度を保証手数料体系を導入、同年に外貨建MMFの取扱を開始する等、業容拡大を進めている。

2019年4月にKDDIの完全子会社であるLDFがカブドットコム証券の株券に対する公開買付けを開始。2019年8月に東証1部上場を廃止し、12月にauカブコム証券へ商号変更している。

事業内容

旧カブドットコム証券はインターネットによるオンライン取引サービスを提供する証券会社としての機能を担っている。その上で、有価証券の売買の委託の媒介、取次、募集及び売出しの取扱い等の業務を顧客に提供している。

2018年度末、カブドットコム証券(Kabu.com Securities Co.Ltd.)は三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)及び三菱UFJ証券ホールディングスの連結化会社であり、両社は親会社に該当していた。MUFGは、その傘下に普通銀行、信託銀行、証券会社、カード会社等を擁しており、約300社によって構成される企業集団(以下、MUFGグループ)を形成している。旧カブドットコム証券の業務においては、顧客へのサービス強化を目的に、MUFGグループに属する複数の企業と業務提携を行っている。

経営方針

カブドットコム証券は、「個人投資家へ「リスク管理追求型」というコンセプトを掲げ、利便性と安定性を徹底的に追求した独自サービスを提供するとともに、啓蒙を図り「新しい投資スタイル」を提供する」ことを経営理念に据えている。

今後は、「お客さまの生活をより豊かにするため、高品質・高付加価値な金融関連サービスの提供を通じて、お客さまの資産形成と日本の金融資本市場の発展に貢献する」ことを使命とするとしている。

経営戦略

カブドットコム証券は、経営戦略を以下のとおり掲げている。

中期経営計画

カブドットコム証券はMUFGグループと足並みを揃え、2018年度から3か年の中期経営計画を策定している。その中で、「カブコム2.0」を掲げ、ネット証券からMUFGデジタル金融企業に進化すべく、デジタルイノベーションのフロントランナーとして先進性No.1、多様性No.1、効率性No.1を目指している。

金融サービスの情報処理産業化・ソーシャル化・通販化への対応

カブドットコムは、基礎技術の大衆化を受けたサービス購買スタイルの変化等、金融サービスの情報処理産業化・ソーシャル化・通販化の進展に対応したビジネスを展開していくとしている。

フロントシステムからバックオフィスシステムまでを自社開発しているが、技術力及びノウハウの優位性をてこに、既存ビジネスの基盤強化、BtoBtoCモデル推進等、新事業の展開に努めていく方針を定めている。

高効率経営の推進

カブドットコム証券は、ネット証券のビジネスモデルの優位性に基づいた高効率経営を推進していくとしている。カブドットコム証券の特徴である、自社システム開発及び社員のITリテラシーの向上等による業務効率化を実現した経営体制を維持していく。その上で、市況の変動により業績を大きく左右されない強固な経営基盤の構築に努めていく方針を定めている。

この他、「MUFGグループ内におけるネット金融戦略の中核地位の確立・発展」を経営方針に掲げている。

経営指標

カブドットコムは、企業価値最大化のためには自己資本に対する利益率の向上がその基盤になると考え、ROEを重視している。

今後は、先進性の指標として外部調査機関の評価、多様性の指標としてノントラディショナル収益比率及びBtoBtoC収益比率、効率性の指標として1人あたり経常利益を重視していくとしている。

ノントラディショナル収益はトラディショナル収益以外の収益の合計を、BtoBtoC収益はノントラディショナル収益の一部であるAPI、金融仲介、ASP、システム販売収支による収益の合計を指す。

対処すべき課題

マクロ経済環境の変化、規制・制度環境や個人投資家の投資スタイルの変化、Fintechの進展という大きな転換期を迎えている。そうした中、MUFGグループとしての総合力やIT力を活かした競争力強化により、業界内ポジションの向上を目指すとともに、内部管理体制を強化し、強固なビジネス基盤を確立していくとしている。

対処すべき課題については、以下のとおり掲げている。

金融サービスの情報処理産業化・ソーシャル化・通販化に対応した競争力の追求

金融サービスの情報処理産業化・ソーシャル化・通販化、Fintechの進展とそれに伴う個人投資家の投資スタイルの変貌を迎えいている。そうした中、カブドットコム証券は、ITインフラ力を活かしたBtoBtoCモデルを含む業務・サービスの展開、新たな投資手法への対応、個人投資家の投資スタイルの変化等を通じ、優位性向上を一層図るとしている。

コスト競争力の維持

カブドットコム証券の主たる業務である金融商品取引業は、株式等の市況の影響を大きく受けているため、コストコントロールは経営上重要な課題だとしている。そこで、カブドットコム証券は従来、経営効率性の指標としてコストカバー率を重視している。

この他、「MUFGグループとの業務提携成果の拡充」、「金融商品取引業者としての法令遵守、内部統制及び品質管理体制の強化」、「KDDIとの業務提携」を対処すべき課題に掲げている。


2019年3月期 有価証券報告書(提出日:2019年6月24日)

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