事業内容
稲畑産業株式会社とそのグループ企業(子会社58社、関連会社11社、その他の関係会社1社を含む)は、情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4つの主要な事業セグメントを通じて、商品の販売及び製造を行っています。情報電子事業では、稲畑産業を含むグループ各社が、SHANGHAI INABATA TRADING CO.,LTD.やINABATA SINGAPORE (PTE.) LTD.などを通じて商品を販売し、アルバック成膜株式会社などから商品を購入しています。
化学品事業では、INABATA AMERICA CORPORATIONや稲畑ファインテック株式会社をはじめとするグループ会社が、商品の販売と購入を行い、HI-TECH RUBBER PRODUCTS CO.,LTD.などは原料を購入し製品を販売しています。
生活産業事業においては、SHANGHAI INABATA TRADING CO.,LTD.から商品を購入し、DNI GROUP, LLCを通じて商品を販売するなど、グループ内での商品の流通が活発です。
合成樹脂事業では、東南アジアを中心に、SIK VIETNAM CO.,LTD.やPT. S-IK INDONESIAなどの生産拠点を持ち、INABATA VIETNAM CO.,LTD.やINABATA THAI CO.,LTD.を通じて樹脂コンパウンド事業を展開しています。これらの事業を通じて、稲畑産業グループは幅広い商品の販売及び製造に関わっており、各セグメントでの活動はグループ全体の事業戦略において重要な位置を占めています。
経営方針
稲畑産業は、長期ビジョン「IK Vision 2030」を掲げ、商社機能の複合化と高度化を目指しています。このビジョンに基づき、同社は専門知識を持つ人材、製造・物流・金融機能、そして海外18カ国60余拠点で展開する拠点網を最大限活用し、顧客への付加価値の提供を進めています。具体的には、商社機能を基本としつつ、製造・物流・ファイナンス等の機能を一層高度化し、連結売上高1兆円以上の早期実現、海外比率70%以上の達成、情報電子・合成樹脂以外の事業比率を1/3以上にすることを目指しています。
中期経営計画「New Challenge 2023」(NC2023)では、これらの目標達成に向けた具体的な施策が打ち出されています。主要な重点施策として、主力ビジネスのさらなる深掘りと成長分野への横展開、将来の成長が見込める市場への多面的な取り組みと確実な収益化、投資の積極化、グローバルな経営情報インフラの高度化、保有資産の継続的見直しと資金・資産の効率化、人的資本活用に向けた取り組みの強化が挙げられています。
また、株主還元に関しては、NC2023の期間中、一株当たりの配当額を前年度実績を下限とし、継続的に増加させる方針を採っています。総還元性向の目安としては概ね50%程度を設定しており、政策保有株式の売却によるキャッシュインが発生した場合は、資金需要や財務状況、株価、市場状況を総合的に勘案し、株主還元を実施する方針です。
稲畑産業は、これらの成長戦略と中期経営計画を通じて、2030年に向けた「ありたい姿」の実現を目指しています。