キングジムは、文具事務用品事業とインテリアライフスタイル事業の二つの主要な事業セグメントを展開しています。文具事務用品事業では、電子製品や生活環境用品、ステーショナリーの企画・製造・販売を行っています。具体的には、ファイルの製造をインドネシアとベトナムの子会社で行い、ファイル用とじ具はマレーシアの子会社で製造しています。また、中国市場での販売を行う錦宮（上海）貿易有限公司や、東南アジア市場向けの販売拠点として錦宮（香港）有限公司とその子会社の錦宮（深圳）商貿有限公司があります。さらに、作業手袋の製造・販売を行うウインセス株式会社もこの事業に含まれます。

インテリアライフスタイル事業では、株式会社ぼん家具がインターネットを通じてオリジナル家具の通信販売を行っています。株式会社ラドンナはキッチン雑貨やフォトフレーム、アロマ関連商品、時計の企画・販売を手がけています。さらに、株式会社アスカ商会はアーティフィシャルフラワーやインテリア雑貨の輸入・企画・販売を行い、ライフオンプロダクツ株式会社は生活家電や雑貨、ルームフレグランスの企画・販売を行っています。これらの事業を通じて、キングジムは多様な製品とサービスを提供し、国内外の市場でのプレゼンスを強化しています。

キングジムは、独創的な商品開発を通じて新たな文化を創造し、社会に貢献することを経営理念としています。2021年には「おどろき、快適、仕事と暮らし」をコーポレートメッセージとして掲げ、文具事務用品に加え、インテリアライフスタイル分野にも事業を拡大しています。サステナビリティ基本方針を策定し、持続可能な社会の実現と企業の持続的発展を目指しています。

キングジムは、第11次中期経営計画を策定し、2027年6月期を最終年度とする成長戦略を推進しています。この計画では、売上高520億円、経常利益28億円、ROE8.0％を目標としています。成長戦略の柱として、既存ビジネスの強化、サービス事業への展開、ライフスタイル分野の拡大、海外事業の強化を掲げています。

具体的には、デザインとデジタルを活用した新サービスの開始や、グループシナジーの強化を図るためのグループマネジメントコミッティの設立を進めています。また、海外市場においては、マーケットイン型の商品展開を推進し、戦略的M&Aを通じて販路を拡大する計画です。これにより、海外売上比率の向上を目指しています。

キングジムは、社会の変化をチャンスと捉え、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。ESGの観点から、独創的な商品の開発、環境への配慮、多様な人材の活躍推進、ガバナンスの充実を重要課題として取り組んでいます。これらの施策を通じて、キングジムは新たな成長を遂げることを目指しています。