事業内容
ニッピは、可食性コラーゲン・ケーシング、ゼラチン及びコラーゲンペプチド、コラーゲン化粧品及び健康食品、皮革関連製品の製造販売を主軸に据える多角的な事業を展開しています。また、輸入食品や穀物の販売、iPS細胞培養基材や医療用コラーゲンの製造販売、不動産賃貸などの事業も手がけています。
コラーゲン・ケーシング事業では、連結子会社大鳳商事株式会社を通じて、在外連結子会社から加工済原材料を購入し、製造した製品を国内外のユーザーに販売しています。ゼラチン関連事業では、海外からの原材料や半製品を調達し、加工・製造を行っており、一部製品は外部への加工委託も行っています。
化粧品関連事業では、化粧品用コラーゲン原料や健康食品用コラーゲンを製造し、スキンケアジェルやコラーゲン配合化粧品をOEMに委託して製造しています。これらの製品は、通信販売会社である連結子会社ニッピコラーゲン化粧品を通じて販売されています。
皮革関連事業では、連結子会社ニッピ・フジタが国内外から靴用革や自動車用革を購入し、販売しています。また、持分法適用非連結子会社ボーグに靴用革の一部を支給し、完成靴をユーザーに販売しています。
賃貸・不動産事業では、東京都足立区や大阪市浪速区を中心に不動産賃貸事業を展開し、非連結子会社ニッピ都市開発が管理業務やコンサルタント業務を行っています。
食品その他事業では、連結子会社大鳳商事や大倉フーズが輸入食材や有機穀物、肥料などを輸入し、国内ユーザーに販売しています。iPS細胞培養の培地キットiMatrixシリーズの製造やBSE検査キットの販売、リンカー製品や化成品の販売も行っています。
経営方針
ニッピは、経済活動の正常化を背景に、景気回復基調の中で事業を展開しています。しかし、原材料や資材の仕入価格の高騰、エネルギーコストの上昇、消費者の価値観の変化、SDGsへの対応など、多様な課題に直面しています。これらの課題に対応するため、同社は国内生産の役割と責任を再認識し、事業の堅実な運営を通じて関連業界の維持発展に寄与する方針を掲げています。
具体的な成長戦略として、コラーゲン・ケーシング事業では、生産コストの上昇に対応する価格調整と海外市場への拡販を推進し、製造コストの低減に努めることで収益力の確保を目指しています。ゼラチン関連事業では、国内外での価格改定を進め、利益確保に注力しています。化粧品関連事業では、アフターコロナの消費動向を踏まえ、広告宣伝活動に注力し、客単価の増大や新規顧客の獲得を目指しています。皮革関連事業では、原料価格の高騰や市場の不透明性に対応しつつ、販売価格の改定や売上拡大に取り組んでいます。
また、賃貸・不動産事業では、「千住大橋駅周辺地区まちづくり計画」や「なんばパークス サウス」プロジェクトを通じて、資産価値の向上と事業収益の最大化を図っています。食品その他事業では、有機穀物の輸出販売に注力し、外食産業の復調に伴う食材輸入価格の上昇に対応するための販売価格の見直しを進めています。さらに、再生医療分野への注力を続けています。
ニッピは、社会的責任を果たすことを企業継続の基礎とし、法令遵守、公正かつ適切な経営の実現に努めています。サステナビリティ委員会を通じて、SDGsを含む社会課題への対応や、コンプライアンスの徹底、コーポレートガバナンスの強化、地球温暖化防止、人権への配慮や多様性の確保など、サステナブルな取り組みを推進しています。