事業内容
カヤバは、自動車部品や産業用機器などを手がける多角的な事業を展開しています。同社グループは、カヤバを含む親会社と子会社34社、関連会社7社で構成され、油圧緩衝器や油圧機器の製造・販売及び関連サービスを提供しています。カヤバの事業は主に3つのセグメントに分けられます。
まず、「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」では、四輪車用油圧緩衝器や油圧機器の製造・販売を行っており、国内外の自動車メーカーや市販・サービス市場に向けて製品を提供しています。このセグメントでは、KYB金山やKYB-YSなどから部品供給を受け、また、KYBモーターサイクルサスペンションからは二輪車用の油圧緩衝器を供給しています。さらに、KYBロジスティクスが物流・サービスを担当しています。
次に、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」では、産業用油圧機器の製造・販売を行い、建設機械メーカーなどへ製品を提供しています。この事業では、国内外での製造拠点を持ち、凱迩必機械工業(鎮江)有限公司などが海外での生産を担っています。
最後に、「航空機器事業」では、航空機用の離着陸装置や操舵装置、制御装置、緊急装置などを製造・販売しており、航空機産業向けに特化した製品を提供しています。
加えて、特装車両事業及び電子機器等の製品も手がけており、国内外で特装車両等の製造・販売を行っています。特に、KYB-Conmat Pvt. Ltd.はインドおよび周辺国の市場へ特装車両等を提供しています。
これらの事業を通じて、カヤバは自動車産業や産業機械、航空機産業など幅広い分野でのニーズに応える製品とサービスを提供しています。
経営方針
カヤバは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、経営理念に基づいた多角的な成長戦略を推進しています。同社は、「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献する」という経営理念のもと、規範を遵守し、高い目標に挑戦することで、活気あふれる企業風土を築くことを目指しています。また、独創性を追求し、ステークホルダーとの協働を重視することで、企業価値の向上に努めています。
2023年度から始まる中期経営計画では、「品質経営を極める~TQMをすべての活動の起点に~」をスローガンに掲げ、全員参加のTQM活動を通じて、人財の質・情報の質の向上を図り、製品・サービスの質の向上を目指しています。この取り組みは、ステークホルダーからの信頼と満足を得ることを目的としています。
カヤバは、デジタル技術を活用した業務変革にも注力しており、デジタル変革推進本部を設立し、変革を強力に牽引しています。具体的な成長戦略としては、マネジメントの改善、成長戦略の推進、革新的モノづくり、目標に向けた絶え間ないコスト低減活動、環境対応への取り組みなどが挙げられます。
また、カヤバは、オートモーティブコンポーネンツ事業において電動化・自動化のトレンドに対応し、新商品・改良商品の開発を促進するとともに、新領域への進出を図り、収益力向上を目指しています。ハイドロリックコンポーネンツ事業では、既存ビジネスと次期主力商品となる新たなビジネスを両輪にして活動を進め、成長を目指しています。
これらの戦略を通じて、カヤバは筋肉質で高収益な企業体質への改革に取り組み、持続可能な成長を目指しています。