事業内容
三菱重工業は、多岐にわたる事業セグメントを持ち、エネルギー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙の4つの主要な分野で活動しています。これらのセグメントは、設計、製造、販売、サービス、据付などを通じて、幅広い製品とサービスを提供しています。
エネルギーセグメントでは、火力発電システム(GTCCやスチームパワー)、原子力発電システム、風力発電システム、航空機用エンジン、コンプレッサ、排煙処理システム(AQCS)、舶用機械などを手がけています。主な関係会社には、Mitsubishi Power Aero LLCや三菱重工航空エンジン株式会社などがあります。
プラント・インフラセグメントでは、製鉄機械、商船、エンジニアリング、環境設備、機械システムなどを提供しています。三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社や三菱造船株式会社などがこの分野で活動しています。
物流・冷熱・ドライブシステムセグメントでは、物流機器、冷熱製品、エンジン、ターボチャージャ、カーエアコンなどを扱っています。三菱重工サーマルシステムズ株式会社や三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社が関連会社として挙げられます。
航空・防衛・宇宙セグメントでは、民間航空機、防衛航空機、飛しょう体、艦艇、特殊機械(魚雷)、特殊車両、宇宙機器などを提供しています。三菱重工マリタイムシステムズ株式会社やMHI RJ Aviation Inc.がこの分野での主要な関係会社です。
経営方針
三菱重工業は、変化する経済環境に対応しつつ、持続可能で安全・安心な社会の実現を目指しています。2021年からの中期経営計画では、「収益力の回復・強化」と「成長領域の開拓」を柱に、収益性や成長性の向上を図りました。特に、サービス事業へのシフトや資産の最適化を進め、過去最高水準の利益を達成しました。また、エネルギー供給の脱炭素化や社会インフラのスマート化を推進し、水素・アンモニア、CCUS、電化・データセンターでの事業化を模索しています。
次期中期経営計画「2024事業計画」では、事業成長と収益力のさらなる強化を目指し、ポートフォリオ経営の強化を進めます。特に、ガスタービンや原子力発電、防衛関連の事業での人的リソースの拡充と生産設備の増強を図り、売上を約1兆円伸ばすことを目指しています。また、エナジートランジションやデータセンターなどの成長領域では、パートナリングを通じて事業化を推進します。
さらに、三菱重工業は「MISSION NET ZERO」に取り組み、2030年までにCO2排出量を2014年比で50%削減することを目指しています。三原製作所でのカーボンニュートラル化のノウハウを活かし、全社的な省エネ化や合理化を進めています。これにより、環境価値と経済価値の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。