事業内容
指月電機製作所は、フィルムコンデンサを中心に、関連商品の製造販売を手掛ける企業です。同社は、コンデンサや関連商品の開発、製造、販売を通じて蓄積した省エネルギーや電力品質改善の技術を活用し、市場のニーズに応える電力機器システム商品の生産販売にも積極的に取り組んでいます。
同社の事業は主に二つのセグメントに分かれています。一つ目は「コンデンサ・モジュール」セグメントで、これには秋田指月株式会社、九州指月株式会社、岡山指月株式会社が製造を担い、主に指月電機製作所が仕入れ販売を行っています。また、アメリカンシヅキ株式会社は米国市場への製造及び販売を、指月獅子起(上海)貿易有限公司は中国市場への販売を、タイ指月電機株式会社は製造及び東南アジア市場への販売をそれぞれ担当しています。
二つ目のセグメントは「電力機器システム」で、指月電機製作所自身が製造販売を行うほか、九州指月株式会社が製造し、その全てを指月電機製作所が仕入れ販売しています。海外では、指月獅子起(上海)貿易有限公司が中国市場へ、タイ指月電機株式会社が東南アジア市場への販売を行っています。
これらの事業活動を通じて、指月電機製作所はグローバルな市場でのプレゼンスを強化し、電力関連技術の進化に貢献しています。
経営方針
指月電機製作所は、2019年度を起点に2028年度を目標年とする長期経営ビジョンを策定し、その実現に向けた中期経営計画を三期に分けて展開しています。2022年度は中期経営計画の第二期の初年度であり、受注・売上は好調に推移したものの、素材価格と電力料金の高騰の影響で利益目標には届かなかった状況です。同社は、コロナ禍や半導体の需給逼迫からの回復を見込み、脱炭素化やエネルギー危機を背景に省エネ・電力の有効活用への動きが加速する市場環境の中で、新規事業の開拓や生産体制の構築を進めています。
また、利益を圧迫する要因に対しては、販売価格への転嫁やコスト改善に向けた対応を加速しており、グループ横断的な視点での技術・工法の水平展開や融合を図り、人財配置の流動化も進めています。2023年度には、2024年度以降の需要拡大に備えた生産能力の増強に着手し、資本効率を意識した投資計画を推進しています。
さらに、CO2排出量の増加に対しては、ESG活動の一環として抑制を進め、これをリスクだけでなく大きな機会と捉え、同社の発展に繋げています。事業セグメントでは、「コンデンサ・モジュール」においては技術開発と生産力強化への投資を継続し、市場シェアの拡大を目指しています。「電力機器システム」セグメントでは、脱炭素化の動きを市場拡大の追い風と捉え、顧客のニーズに応えるソリューションの提案や新市場の創出を進めています。これらの戦略を通じて、指月電機製作所はグローバル市場でのプレゼンス強化と電力関連技術の進化に貢献しています。