事業内容
京セラは、ファインセラミック技術を基盤に、新技術や新製品の開発、新市場の創造に取り組んでいます。同社は、素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスに至るまで、グループ内の経営資源を活用し、事業の多角化を通じて成長を図っています。また、情報通信、産業機械、自動車、環境・エネルギー関連などの市場で、多種多様な製品やサービスをグローバルに提供しています。
京セラの事業は大きく分けて3つのセグメントに分類されます。第一に「コアコンポーネント」セグメントでは、半導体製造装置用部品や車載カメラモジュール、電子部品やICを保護するセラミック・有機パッケージなどを産業機械や自動車関連、情報通信市場向けに展開しています。第二に「電子部品」セグメントでは、コンデンサ、水晶部品、コネクタ、パワー半導体などの電子部品やデバイスを提供しています。第三に「ソリューション」セグメントでは、機械工具事業で切削工具や空圧・電動工具を、ドキュメントソリューション事業でオフィス用プリンター・複合機やドキュメント管理システム、商業用プリンターを、コミュニケーション事業で携帯端末や情報通信サービスを提供しています。さらに、スマートエネルギー関連の製品・サービスも展開しています。
これらの事業を通じて、京セラは多岐にわたる市場でその存在感を示しており、技術革新と市場のニーズに応える製品・サービスの提供を続けています。
特集記事
経営方針
京セラは、その経営理念に基づき、全従業員の幸福追求と社会進歩への貢献を目指しています。同社は、独自の「京セラフィロソフィ」と「アメーバ経営」を核とし、持続的な成長と高い収益性を追求しています。2024年3月期から2026年3月期にかけての中期経営計画では、先行投資の集中実施、グループ内経営資源の競争優位分野への統合・結集、事業の選択と集中の推進、低成長・低採算領域の構造改革、社会課題解決型の新規事業創出に向けた研究開発体制の強化を主要施策として掲げています。
同社は、AI技術や5G通信技術の進化と社会全体のデジタル化加速を事業機会と捉え、幅広い事業領域と多様な技術、強固な財務基盤を活用し、社会課題の解決に貢献する製品やソリューションの展開を通じて事業拡大を図ります。具体的には、既存事業の拡大と新規事業の創出に向けた投資の強化、収益性向上に向けた事業の選択と集中、サステナブル経営の推進を戦略の柱としています。
京セラは、中期経営計画の達成に向けて、既存事業への設備投資及び新規事業創出のための研究開発の一層の拡大を見込んでおり、資金源として営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融資産を活用した借入金を充当する計画です。これらの施策を通じて、2026年3月期には売上高2兆5,000億円、税引前利益3,500億円、税引前利益率14.0%、ROE7.0%以上を目標としています。
京セラは、技術革新と市場ニーズに応える製品・サービスの提供を続け、多岐にわたる市場でその存在感を示しています。同社の成長戦略は、社会課題の解決に貢献することで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化していくことにあります。