事業内容
イリソ電子工業株式会社とそのグループ企業は、オートモーティブ(車載)機器、デジタル機器、インダストリアル機器向けに、多極コネクタの製造、開発、販売を行っています。具体的には、基板対基板コネクタ(BtoBコネクタ)、FPC基板やFFCケーブル接続用のFPC/FFCコネクタ、機器間の信号接続用のインターフェイスコネクタを提供しています。これらのコネクタは、プリント基板の接続、FPC基板やFFCケーブルの接続、機器間の信号の接続に使用され、カーナビゲーションやPCなど多岐にわたる機器に装着されます。
イリソ電子工業は、生産子会社4社からの製品供給を受け、一部は販売子会社やユーザーに直接販売しています。販売子会社7社は、イリソ電子工業及び生産子会社から製品を供給され、その販売を担当しています。また、イリソ電子工業は、多極コネクタの設計及び設備の研究開発を意力速(上海)電子技術研発有限公司に委託し、成形金型の設計及び製作を有限会社イリソエンジニアリングに委託しています。
このグループの事業は、日本、アジア、欧州、北米というセグメントに分かれており、グローバルに展開しています。各地域での事業展開を通じて、イリソ電子工業グループは、多岐にわたる産業に対して高品質なコネクタソリューションを提供し続けています。
経営方針
イリソ電子工業は、経営理念に「人の心を尊重し、豊かな価値を創り、社会貢献に努める」と掲げ、顧客価値の創造を目指しています。同社は、コネクタを通じて人と環境にやさしい未来を創造することを新たなパーパスとしています。経営戦略として、自動車市場の電動化や自動運転、インダストリアル市場の自動化・省人化などの変化を捉え、独自技術を活用した事業拡大を目指しています。
中期経営計画では、2030年までに接続部品業界でのグローバルトップ10入りを目標に掲げています。これを達成するため、新規顧客開拓や海外生産拠点の拡大を推進しています。また、2024年3月期には売上高520億円、営業利益率20%の達成を目指す計画を策定しました。市場別では、電動車向けの拡販加速や5Gなど新たな市場への新製品開発を進めています。
重点施策としては、車載市場でのxEVやADAS等の拡販強化、インダストリアル市場でのグローバル顧客カバレッジ強化、販売チャネルの多様化、グローバル営業体制の強化、可動(フローティング)技術を核とした製品開発力の強化などを挙げています。さらに、品質力やコスト力の向上、生産効率・生産能力の向上、経営インフラの強化にも注力しています。
イリソ電子工業は、不透明な経済環境の中でも、xEV市場の成長を捉え、売上拡大に努めると共に、収益構造改善プロジェクトの刈り取り、戦略製品のラインナップ強化、営業力の強化、生産能力拡大、新ERPシステムの円滑な立ち上げなど、5つの施策を継続して注力しています。これらの取り組みを通じて、同社は長期的な成長と社会への貢献を目指しています。