事業内容
日本電波工業は、水晶振動子や水晶機器などの水晶デバイス、応用機器、人工水晶、水晶片(ブランク)などの水晶関連製品の一貫製造と販売を行っている企業です。同社グループは、日本電波工業を含む国内子会社2社、国内関連会社1社、および海外子会社10社の計14社で構成されています。
同社の製品は、国内では古川エヌ・デー・ケー株式会社、函館エヌ・デー・ケー株式会社、および持分法適用会社であるNDK SAW devices株式会社に製造を委託しています。海外では、ASIAN NDK CRYSTAL SDN.BHD.および蘇州日電波電子工業有限公司が製造を担当しています。
販売面では、NDK AMERICA, INC.が主に北米地域で、ASIAN NDK CRYSTAL SDN.BHD.が東南アジア地域で、NDK EUROPE LTD.が欧州地域で、NDK ELECTRONICS (HK) LIMITEDが香港、台湾、中国華南地域で、NDK-ELECTRONICS SHANGHAI CO., LTD.が華南地域を除く中国で販売活動を行っています。
また、その他の応用機器や結晶、水晶片などの製造についても、国内では古川エヌ・デー・ケー株式会社、海外ではNDK QUARTZ (M) SDN.BHD.が製造を担当しています。これらの製品とサービスは、同社グループの幅広い技術力と製造能力を背景に、グローバルな市場で提供されています。
経営方針
日本電波工業は、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」をミッションに掲げ、周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品の開発、製造、販売に注力しています。同社は、2022年3月に2022年度から2024年度までの中期経営計画と、2030年に向けた経営目標「Vision2030」を公表しました。中期経営計画では、次世代通信規格「5G」の需要の本格化や、自動車1台に搭載されるADAS機器の増加に対応し、車載及び5G関連事業向けの売上高拡大と高収益体質の維持・強化を目指しています。また、成長戦略の実現に向けた積極的な投資戦略と、資本効率性向上及び財務体質健全化に向けた財務戦略を推進しています。
Vision2030では、同社グループのビジョンを「周波数でデジタル社会の未来を創る」と定め、社会価値、経済価値、人材価値の3つの価値をバランス良く追求しています。具体的には、2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めるとともに、2030年の数値目標(売上高1,000億円、営業利益率20%)を目指しています。これらの目標達成には、人材の育成が不可欠であるとして、人材価値の追求も強調しています。
中期経営計画の数値目標としては、計画最終年度である2025年3月期に売上高580億円、営業利益率11%、ROIC10%、自己資本比率40%を掲げています。これらの戦略と目標を通じて、日本電波工業は持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。