事業内容
寺崎電気産業株式会社とそのグループ企業は、国内外に広がる事業体で構成され、海外売上が全体の約45%を占めています。同社は「日本」、「アジア」、「ヨーロッパ」を主要な市場セグメントとしており、船舶、ビル、工場などを対象にした配電制御システムや機関監視制御システム、集合始動器盤、コージェネレーションシステム、メディカルデバイスなどの製造販売を行っています。これらのシステム製品は、顧客の個別仕様に基づいた製品が主であり、船舶用と産業用に大別されます。
船舶用配電制御システムは、船舶内の配電系統の監視、制御、保護に使用されるほか、推進機関や発電機の運転状況の監視、制御にも用いられます。産業用配電制御システムは、ビルや工場、鉄道関連施設、工事設備で使用される装置です。また、コージェネレーションシステムや電子応用製品、メディカルデバイスなども同社の製品ラインナップに含まれます。
機器製品には、低圧遮断器(気中遮断器、配線用遮断器、漏電遮断器など)があり、これらは主にビル、工場、船舶などで使用される電気系統の保護に役立てられます。同社は、JIS(日本産業規格)、IEC(国際電気標準会議)などの主要な規格に対応した製品を開発し、製造販売しています。これらの製品は、安全性や環境対応などの観点からも高い評価を受けており、同社の技術力と品質の高さを示しています。
経営方針
寺崎電気産業株式会社は、顧客第一主義を経営理念とし、高度な情報通信技術やコンピューター応用技術との融合を進化させることで、電気エネルギー制御の未来を切り拓くことを目指しています。同社は、連結営業利益率5%以上及び自己資本比率55%以上を中期目標とし、安定経営と着実な収益向上による業容の拡大を目指しています。
経営環境においては、新型コロナウイルス感染症の影響や金融市場の変動、地政学的リスクなど多くの懸念材料を抱えつつも、造船業界や自動化・省力化投資、グリーン関連やデジタル関連への設備投資が底堅く推移すると予想されています。
寺崎電気産業は、顧客満足度の向上とシェアの維持・拡大を目指し、営業活動の強化や生産性及び品質レベルの向上、新製品の開発や他社との研究開発プロジェクトへの参画に努めています。また、グローバルな組織の有効活用と最適化の追求、内部統制システムの強化、企業倫理に基づく積極的な取り組みにより、CSRを果たし、コーポレート・ガバナンスの強化と透明性の高い経営を目指しています。
原材料の高騰や為替の変動への対応として、原価低減活動の推進や為替中立型を目指した総括的な改革・改善に取り組んでいます。また、重大な感染症の流行に備え、事業活動への影響を低減するための対策も進めています。
市場セグメント別には、「日本」では船舶用システム製品の受注増や環境対応ビジネスの拡大、「アジア」では高付加価値船への対応やエンジニアリングビジネスの受注増、「ヨーロッパ」では新製品の拡販やOEM戦略の強化に注力しています。これらの戦略を通じて、寺崎電気産業は国内外での事業展開を加速し、持続可能な成長を目指しています。