事業内容
富士電機は、幅広い事業セグメントを持つ多角的な企業であり、その活動は「パワエレ エネルギー」、「パワエレ インダストリー」、「半導体」、「発電プラント」、「食品流通」、「その他」の6つの主要セグメントに分けられます。同社及びその関係会社125社(子会社110社及び関連会社15社)によって構成され、製品の開発から生産、販売、サービス提供に至るまで、多岐にわたる事業活動を展開しています。
「パワエレ エネルギー」セグメントでは、変電設備やエネルギーマネジメントシステム、無停電電源装置(UPS)、電機盤、受配電・制御機器などの提供を行っています。このセグメントには、富士電機機器制御株式会社や富士電機テクニカ株式会社などの連結子会社が含まれます。
「パワエレ インダストリー」セグメントでは、インバータ、FAコンポーネント、計測機器、センサ、FAシステム、駆動制御・計測制御システム、鉄道車両用駆動システム・ドアシステム、船舶・港湾用システム、放射線機器・システム、電気工事、空調設備工事、ICTに関わる機器・ソフトウェアなどの幅広い製品とサービスを提供しています。このセグメントには、富士電機メーター株式会社や富士アイティ株式会社などが含まれます。
「半導体」セグメントでは、産業用・自動車用パワー半導体の開発と販売を行っており、富士電機パワーセミコンダクタ株式会社などがこのセグメントに属しています。
「発電プラント」セグメントは、地熱発電、水力発電、太陽光発電、風力発電、燃料電池などの再生可能・新エネルギー源に関連する事業を展開しています。
「食品流通」セグメントでは、飲料自販機や食品・物品自販機、店舗設備機器、金銭機器などの提供を行っており、宝永プラスチックス株式会社や株式会社三重富士などがこのセグメントに含まれます。
最後に、「その他」セグメントでは、不動産業、保険代理業、旅行業、金融サービス、印刷・情報サービス、人材派遣サービスなど、多様な事業を手がけています。このセグメントには、富士電機フィアス株式会社や富士電機ITセンター株式会社などが含まれます。
富士電機は、これらのセグメントを通じて、幅広い分野での技術革新と社会の発展に貢献しています。
経営方針
富士電機は、エネルギー・環境技術の革新を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、グローバルでの事業拡大を目指すという明確な経営方針を持っています。同社は、多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮することを重視しています。2023年度を最終年度とする5年間の中期経営計画「令和.Prosperity2023」では、売上高1兆円、営業利益率8%以上を目標に掲げ、これを既に達成しています。
同社の成長戦略は、パワーエレクトロニクス事業とパワー半導体事業の拡大を中心に据えています。これに加え、グローバルでの製造力強化による収益力のさらなる強化、環境、人財、ガバナンスを中心とした経営基盤の継続的な強化を推進しています。特に、パワーエレクトロニクス事業では、プラットフォーム化の推進やソリューション提案の拡大、エンジニアリング力の強化に取り組んでいます。また、パワー半導体事業では、電動車の需要拡大に対応するための生産能力増強や新製品の開発に注力しています。
さらに、富士電機は、サプライチェーンマネジメントの強化やデジタル改革を通じて収益力の強化を図り、カーボンニュートラルやデジタル化の進展に対応するため、2024年度から始まる新たな3年間の中期経営計画の策定に取り組んでいます。この計画では、クリーンエネルギーの創出やエネルギーの安定供給、省エネ・自動化、電化など、エネルギーの供給サイドから需要サイドまで幅広くカバーする事業の総合力を生かし、新たなニーズに向けた研究開発を加速させることを目指しています。
また、ESGを中心とする経営基盤の継続的な強化にも注力しており、環境、人財、ガバナンスの各分野でグローバルに活動を継続しています。これらの取り組みを通じて、富士電機は安全・安心で持続可能な社会の実現に向けた活動を加速しています。