NTN株式会社（以下、同社）とそのグループ企業は、75の子会社と13の関連会社を有し、補修市場、産業機械市場、自動車市場向けの軸受、等速ジョイント、精密機器商品等の製造販売を主な事業としています。同社の事業活動は、国内では本社が、海外では地区別に設置された総支配人室が統括しており、各地域の現地法人が独自の事業戦略を立案し展開しています。

同社グループの事業セグメントは、「日本」、「米州」、「欧州」、「アジア他」の4つに分けられており、それぞれのセグメントで位置づけが異なります。国内製造は主に同社が担当し、一部を国内製造関係会社に委託。また、部品加工の一部も国内部品加工関係会社に委託しています。国内販売は主に同社が直接行い、一部は国内販売関係会社を通じて行われています。海外製造は、海外製造関係会社が同社から供給される半製品を用いて行い、海外販売は同社、同社及び海外製造関係会社から製品を購入した海外販売関係会社、並びに海外製造関係会社が担当しています。

2022年9月には、NBCA Asset Finance LLC.を新規に設立し、連結子会社としています。また、2023年3月にはNTN-SNR ROULEMENTSがNTN Europe S.A.に社名を変更しました。これらの動きは、同社グループがグローバルな事業展開を強化し、各地域での事業活動をより一層推進していく意志を示しています。

NTN株式会社（以下、同社）は、軸受、等速ジョイント、精密機器商品の製造販売を主軸に事業を展開しています。同社は、企業理念の実践を通じて、「なめらかな社会」の実現を目指し、ステークホルダーから信頼される企業として、人権の尊重とコンプライアンスを重視しています。また、新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献することを企業理念として掲げています。

同社は、中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase 2を2021年4月から開始し、事業構造の変革を加速する方針のもと、財務体質の強化を目指しています。この計画では、デジタル技術と同社が培った経営資源を融合させ、基幹システムの刷新やスマートファクトリ化の推進、顧客製品の状態監視や故障の事前予知等の新たなビジネスの創出・拡大に取り組んでいます。また、財務体質の強化を目指し、比例費低減や固定費抑制等による損益分岐点売上高の引き下げ、投資効率の追求、遊休資産や有価証券の売却、事業統廃合等によるキャッシュ・フローの最大化に取り組んでいます。

同社は、自動車事業の利益率向上や事業ポートフォリオの改善、補修市場向け供給強化、産業機械事業における収益基盤の強化と新領域の早期確立、風力発電機向け軸受の受注拡大など、各事業領域での取り組みを進めています。これらの戦略は、将来の成長に向けた研究開発活動の加速とともに、「カーボンニュートラル」と「安心安全、快適性の追求」に繋がる分野への投資拡大を目指しています。

このように、同社は、事業構造の変革と財務体質の強化を軸に、持続可能な成長を目指しています。同社の取り組みは、社会からの信頼獲得と事業活動を通じた地球環境への貢献にも焦点を当てており、グローバルな事業展開を強化し、各地域での事業活動を推進しています。