事業内容
ニッスイ(日本水産株式会社)は、水産事業、食品事業、ファイン事業、物流事業を主軸に展開している多角的な企業グループです。同社グループは、ニッスイ本体、子会社66社、関連会社23社で構成されており、幅広い事業とサービスを提供しています。
水産事業では、黒瀬水産株式会社、NISSUI USA, INC.を含む32社の子会社と、大水株式会社を含む15社の関連会社が漁撈、養殖、加工・商事事業を手掛けています。これにより、ニッスイは水産資源の確保から加工、販売に至る一連のバリューチェーンをカバーしています。
食品事業においては、日本クッカリー株式会社、GORTON'S INC.を含む20社の子会社と、5社の関連会社が加工事業およびチルド事業を展開しています。これにより、消費者に向けた多様な食品製品の提供を実現しています。
ファイン事業では、ニッスイと連結子会社2社が医薬原料や機能性原料(例:サプリメントの原料や乳児用粉ミルクに添加されるEPA・DHAなど)、機能性食品(例:機能性表示食品「ごま豆乳仕立てのみんなのみかたDHA」、特定保健用食品「イマークS」などの健康食品)の生産・販売を行っています。
物流事業は、日水物流株式会社を含む3社の子会社と2社の関連会社が冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を提供しており、同社グループの製品が効率的に流通することを支えています。
その他、ニッスイ・エンジニアリング株式会社を含む6社の子会社が船舶の建造・修繕、運航、エンジニアリング等を手掛けています。これらの事業を通じて、ニッスイは食品産業のみならず、幅広い分野でその存在感を示しています。
経営方針
ニッスイは、気候変動対応、海洋環境保全、資源の持続可能な調達、健康課題解決、多様な人財活躍の実現といった社会課題に取り組み、2030年に向けた長期ビジョン「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」を掲げています。同社は、110年以上にわたり培った資源アクセス力、研究開発力、生産技術、品質保証力、グローバル・ローカルリンクスを活かし、新しい食の提供を目指しています。
中期経営計画「Good Foods Recipe1」では、2022年度から2024年度までの3年間で、サステナビリティ経営の推進、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じて企業価値の向上を図ります。具体的には、海外市場での成長、養殖事業・ファインケミカル事業の成長と差別化を加速させ、2030年には海外売上高比率50%、売上高1兆円、営業利益500億円を目指します。
中期経営計画における6つの基本戦略には、サステナビリティ経営の進化、グローバル展開の加速、新規事業・事業境界領域の開拓、生産性の革新、財務戦略、ガバナンス強化が含まれます。これらの戦略を通じて、ニッスイは持続可能な社会への価値創造を目指し、成長分野への経営資源の集中を図ります。
また、成長と財務安全性の両立を目指し、株主還元においては配当性向30%以上を目標としています。これらの取り組みを通じて、ニッスイは中期経営計画の達成と長期ビジョン「Good Foods 2030」の実現を目指しています。