事業内容
サムコは、半導体および電子部品製造装置のメーカーであり、主に薄膜形成・加工装置の製造と販売を行っています。同社の製品は、CVD装置、エッチング装置、洗浄装置、その他の装置に分類されます。CVD装置は、化学反応を利用して薄膜を形成する装置で、特にLS-CVD装置は安全性に優れた液体原料を使用し、低温で均一な薄膜を高速で形成します。また、ALD装置もCVD装置に分類され、高い膜厚制御性を実現します。
エッチング装置は、半導体基板上の薄膜を微細加工するための装置で、トルネードICP技術を用いて高密度プラズマを安定生成し、高精度の加工を可能にします。洗浄装置は、基板をドライ洗浄する装置で、プラズマ放電や紫外線とオゾンを利用した処理が可能です。特にAqua Plasma洗浄装置は、水蒸気を用いて安全かつ環境に優しい表面処理を行います。
サムコの事業は、化合物半導体、シリコン半導体、電子部品、ヘルスケア関連分野など多岐にわたります。化合物半導体分野では、GaNやGaAsなどを用いたデバイスの加工に対応し、LEDやパワーデバイスに利用されます。シリコン半導体分野では、シリコンウェハーの欠陥解析や加工を行います。電子部品分野では、MEMSや各種センサーの加工を手がけています。
同社は、製品の設計企画を自社で行い、協力会社に製造を委託しています。製品出荷前には独自のプログラムソフトを入力し、仕様検査を経て販売します。販売は営業所を通じて行い、海外では一部現地販売代理店に委託しています。また、台湾を中心とする保守サービス業務は現地法人に委託しています。
経営方針
サムコは、薄膜技術を基盤に世界の産業科学に貢献することを経営理念とし、成長戦略を推進しています。同社は、社員の創造性を重視し、独創的な薄膜技術を市場に提供することを目指しています。また、直販体制を採用し、ユーザーニーズに応じた製品をタイムリーに提供することで、社会に高い付加価値をもたらすことを目指しています。
中期経営計画では、売上高営業利益率20%以上を目指し、装置製造原価率を50%未満に抑えつつ、売上高の拡大を図っています。特に、研究開発機市場と生産機市場に対応した製品の拡販を進め、海外売上高比率を50%以上に引き上げる方針です。これにより、収益力の高い企業としての地位を維持し続けることを目指しています。
サムコは、クラスターツールシステムの拡販や海外販売の拡大を重点領域としています。クラスターツールシステムは、量産用のシステムであり、非シリコン分野の材料加工においてリーディングカンパニーとしての地位を強化することを目指しています。また、北米、台湾、中国、韓国などの既存市場に加え、欧州やインドなど新たな市場の開拓を進めています。
さらに、成膜装置販売の強化や新規事業の立ち上げにも注力しています。特に、ヘルスケア分野への進出を図り、医療分野での滅菌装置やヘルスケアチップの加工装置の開発・販売を進めています。これにより、薄膜技術を活かした新規事業の創出を目指しています。
人材育成も重要な戦略の一環であり、社員の成長を企業価値の向上に繋げることを目指しています。また、社内環境対策として、ESG委員会を設立し、気候変動への対応を強化しています。これらの取り組みにより、サムコは持続可能な成長を追求しています。