事業内容
マルマエは、精密部品事業の単一セグメントを持ち、主に半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置に使用される真空チャンバーや電極などの真空部品を製造しています。これらの部品は、半導体製造の前工程や液晶パネル製造の各工程で使用される重要なパーツです。
同社は、小型高精度加工機から国内最大クラスの門型5面加工機まで幅広い工作機械を駆使し、オートバイのレース用部品や発電所用蒸気タービン部品、防衛省向け部品、医療装置部品、産業用ロボット部品など多岐にわたる部品を製造しています。特に、半導体製造装置とFPD製造装置に使用される真空パーツの製造が主力です。
マルマエの製造する半導体製造装置部品は、CVD、エッチング、塗布、洗浄などの工程で使用される真空パーツを提供しています。FPD製造装置関連部品は、液晶パネルの製造工程で使用される真空パーツが中心で、これらの部品は高い耐電圧性能や安定性が求められます。
同社は、独自の生産方式「マルマエ生産方式」を採用し、コスト低減を図りながら市場価格の低下に対応しています。切削加工、溶接加工、ガンドリル加工、組立、輸送など多様な工程を一貫して受注できる体制を整え、輸送コストの削減や納期管理の効率化を実現しています。
また、マルマエは、主要な製造技術者にプログラマーとしての教育を行い、短納期対応を可能にしています。CADやCAMなどのITを活用できるデジタルな職人を育成し、試作能力や生産キャパシティの拡大に努めています。設計段階での構造提案やVE提案も行い、幅広い分野での提案が可能です。
同社の成長を支える製造技術は、独創的技術力を持ち、他社が作り得ない製品の受注を可能にしています。今後も試作能力や生産キャパシティの拡大、モノづくりと切削技術の革新に努めていく方針です。生産拠点は鹿児島県出水市と埼玉県朝霞市にあり、188台の工作機械を保有しています。
経営方針
マルマエは、技術革新を基盤に成長を目指す企業です。中期経営計画「Innovation 2026」では、生産手法や管理手法の革新を通じて持続可能な企業を目指しています。この計画は、2023年から2026年までの期間を対象としており、既存顧客の深掘りと新規顧客の開拓を通じて市場シェアの拡大を図ります。
同社は、半導体製造装置やFPD製造装置の市場環境を分析し、これに基づいた戦略を展開しています。特に、真空部品の製造においては、独自の技術力を活かし、競争の激しい市場での優位性を確保しています。技術開発と人材育成を重視し、R&Dの強化を進める方針です。
また、マルマエはM&Aを通じた新規分野の拡大も視野に入れています。未上場企業を対象としたスキーム構築が課題ですが、内部統制システムの整備や製造原価の把握を進め、企業風土を維持しつつ生産性を向上させることを目指しています。これにより、持続的な成長を実現する計画です。