QPS研究所【5595】 グロース(内国株式)

小型SAR衛星の開発・製造を行い、取得した地球観測データを提供する地球観測衛星データ事業。

QPS研究所【5595】 グロース(内国株式)

小型SAR衛星の開発・製造を行い、取得した地球観測データを提供する地球観測衛星データ事業。

事業内容

同社は、地球観測衛星データ事業を主な事業として展開しています。この事業では、光学衛星に代わる小型SAR衛星を開発・製造し、夜間や悪天候時でも地球観測データを取得できることを強みとしています。SAR衛星は、合成開口レーダー技術を用いて地球を観測し、天候や時間帯に左右されずにデータを提供することが可能です。

同社は、36機の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築し、地球上の任意の地点を平均10分間隔で観測できる体制を目指しています。これにより、災害時の被災地状況確認や安全保障分野での利用が期待されています。特に、2022年からのウクライナ情勢において、SAR衛星の重要性が再認識されています。

同社の小型SAR衛星は、特許を持つ展開式パラボラ型アンテナを搭載し、小型化と高解像度の両立を実現しています。これにより、製造コストや打上げコストを抑えつつ、短期間での開発が可能です。実証機である「イザナギ」や「イザナミ」、商用機「アマテル-Ⅲ」などの打ち上げを成功させ、画像販売事業を本格化させています。

同社は、官公庁や法人を対象に観測データを販売しており、売上の大部分を官公庁が占めています。今後は、民間企業への拡販や海外市場への進出を目指し、データ解析を得意とする販売代理店との提携を進めています。また、九州の地元企業と連携し、宇宙産業クラスターを形成するなど、地域経済の発展にも寄与しています。

経営方針

undefinedは、宇宙の可能性を広げることを経営理念に掲げ、地球観測衛星データ事業を推進しています。特に、小型SAR衛星を用いたリアルタイム観測を実現するため、36機のSAR衛星コンステレーションの構築を進めています。このコンステレーションにより、地球上の任意の地点を平均10分間隔で観測することを目指し、災害時の状況確認や安全保障分野での利用が期待されています。

undefinedの成長戦略は、技術開発と製造能力の強化に重点を置いています。年間4機のSAR衛星を製造する能力を持ち、2024年には新工場の設立により年間10機の製造を目指しています。また、衛星間通信の機能追加や衛星寿命の延伸を通じて、リアルタイム観測の実現と収益性の向上を図っています。これにより、迅速なデータ取得と高精度な観測を可能にし、競争力を高めています。

販売戦略としては、国内外の官公庁や民間企業へのデータ提供を拡大しています。特に、防衛省向けのサービスを開始し、官公庁での需要を確認しています。さらに、災害対応やインフラ管理などの分野での協働を模索し、九州電力やスカパーJSATなどとの実証実験を通じて民間ビジネスの開拓を進めています。海外市場では、代理店を通じて北米やEU、中東などでの画像販売を推進しています。

undefinedは、技術開発と事業基盤の拡充を継続的な発展のための重要課題とし、資金調達を含む体制強化を進めています。特に、SAR衛星の市場拡大が予測される中で、製造・販売体制の強化や新規事業の開発を通じて、持続的な成長を目指しています。これにより、地球観測データの提供を通じて、宇宙産業の発展と地域経済への貢献を図っています。