事業内容
全保連は、家賃債務保証事業を単一セグメントとして展開しています。このサービスは、賃貸人に対して賃借人の家賃支払いを保証するもので、賃借人が支払いを怠った場合には全保連が代わりに支払い、後に賃借人から回収する仕組みです。このサービスにより、賃借人は連帯保証人を必要とせず、スムーズに賃貸借契約を締結できます。全保連は、不動産管理会社や不動産仲介会社などの協定会社を通じてこのサービスを提供しており、全国主要都市に19拠点を配置し、積極的な営業活動を行っています。
全保連の主な収益源は保証委託料で、初回保証委託料と継続保証委託料に大別されます。また、代位弁済時の保証事務手数料や口座振替時の手数料も収益に貢献しています。収益構造は、累計契約件数の増加に伴い、継続的な収益が増えることで安定しています。
さらに、全保連は概算払方式やZ-valueサービス、賃借人事故対応費用保険の付帯など、付加価値の高いサービスを提供しています。概算払方式では、信託口座を活用し賃貸人の賃借料滞納リスクを解消します。Z-valueは、家賃債務保証契約と火災保険等の契約手続きを同時に行うサービスで、電子契約システムや保険会社システムとのAPI連携により実現しています。賃借人事故対応費用保険は、賃借人が孤独死等をした場合の原状回復費用や空室期間中の賃料喪失利益を補償するサービスです。
成長戦略として、全保連は住居用領域の収益・シェア拡大、事業用領域や新領域への展開、そしてDX戦略の積極的な展開を目指しています。これにより、市場シェアの拡大や事業用領域での成長、新たな市場の開拓を図っています。
特集記事
経営方針
全保連は、「QUALITY FOR THE FUTURE 新たな価値へ、新たな未来へ」という企業理念のもと、家賃債務保証事業を通じて安心・安全を提供し、社会と共に歩むことを目指しています。同社は、中期経営計画(22期~25期)において、「先進性を追求し、変革する未来を乗り越え続けるリーディングカンパニー」という姿を目指し、高収益体質への変革、家賃債務保証ビジネスの拡大、新たなビジネスモデルの実践、DXによる強固な基盤構築、ステークホルダーに対する満足度の向上を重点戦略として掲げています。
全保連は、家賃債務保証サービスの提供を通じて、賃貸人と賃借人双方のニーズに応えることで市場における存在感を高めています。賃貸人には家賃未収リスクの軽減を、賃借人には連帯保証人不要でのスムーズな入居手続きを可能にするサービスを提供しています。また、DX戦略の推進により、申込・契約の電子化やAIによる保証審査の導入を進め、効率化と生産性向上を図っています。
さらに、債権管理体制の高度化やコーポレートカルチャーの確立、人材の確保及び育成、財務体質の強化、コーポレート・ガバナンスの充実など、事業上及び財務上の対処すべき課題にも積極的に取り組んでいます。これらの戦略と取り組みを通じて、全保連は持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。