事業内容
イワキ株式会社は、化学薬品などの薬液移送に使用されるケミカルポンプやポンプ専用コントローラなどの周辺機器の開発、製造、販売(輸出入含む)を主な事業としています。また、製品の修理やアフターサービス、設置工事も手掛けています。イワキは、ケミカルポンプ事業を単一セグメントとしており、半導体や液晶、化学、電子部品、水処理、食品、製紙、医療、太陽電池、燃料電池、二次電池など、新エネルギー分野を含む幅広い産業分野で使用されています。
イワキのケミカルポンプは、化学薬液を安全に移送することを最大の使命とし、腐食しない樹脂材料を使用し、薬液が漏れ出ない構造を多くの製品に採用しています。また、半導体業界の生産性向上に伴う高温化対応やクリーン度要求にも応えています。特殊液の移送にも対応しており、耐久性、利便性、サニタリー性など、顧客からの厳しい水準が求められています。
技術面では、製品の安全性、高品質、耐久性を追求し、独自の安全機構の開発や最先端のエレクトロニクス技術を導入した製品を開発しています。生産面では、多品種少量生産を強みとし、年間約80万台の生産能力を持ち、国内外で生産を行っています。品質面では、ISO9001に基づく品質保証体制を構築し、高品質な製品を出荷しています。販売面では、長年にわたる販売ノウハウを活かし、国内外で顧客に密着したサービスを提供しています。メンテナンスサービス面では、製品納入後の履歴管理に基づくオーバーホール提案など、顧客の生産性向上に貢献しています。
イワキは、マグネットポンプ、定量ポンプ、空気駆動ポンプ、回転容積ポンプ、エアーポンプ、システム製品など、多岐にわたる製品ラインアップを持ち、半導体・液晶市場、医療機器市場、表面処理装置市場、化学市場、水処理市場、新エネルギー市場、その他(食品、製紙等)市場に製品を提供しています。
経営方針
イワキ株式会社は、競争が激しい国内外の市場環境に対応するため、開発力の強化に注力しています。技術センターを活用し、基礎研究及びコア技術開発を推進することで、高度な研究開発を行い、「オンリーワン製品」の開発を進めています。また、市場要求と顧客ニーズを捉えた迅速な製品開発を目指し、プロジェクト体制を構築しています。
同社は、ソリューションビジネスの再定義にも取り組んでおり、営業とメンテナンスで保有していた顧客情報を統合し、製品・サービスの方向性を明確化しています。これにより、競合との差別化を図り、「ソリューションカンパニー」としての地位を確立しようとしています。
海外事業の拡大も重要な戦略であり、海外販売網を活用し、顧客ニーズに応える体制の強化や海外への製品供給を推進しています。また、海外子会社の利点を最大限活用し、グループ全体としてのシナジー創出を目指しています。
強化市場への優先的な経営資源の投入も行っており、水処理市場、医療機器市場、新エネルギー市場に加え、半導体・液晶市場も新たに強化市場に加えています。これにより、事業の継続的な成長を目指しています。
「イワキグループ10年ビジョン」の達成に向けても取り組んでおり、2025年3月期の連結売上高400億円、営業利益率10%の達成を目標にしています。さらに、サステナビリティの観点を踏まえた次期長期ビジョンの策定にも着手しており、持続可能な社会の実現と企業価値向上を両立させる経営を推進しています。