事業内容
トランザクション・メディア・ネットワークスは、キャッシュレス決済サービス事業を主軸に展開している企業です。同社は、流通業の事業者を主な顧客とし、複数のキャッシュレス決済事業者と加盟店をつなぐゲートウェイサービスを提供しています。このサービスにより、加盟店は様々なキャッシュレス決済手段を一つの端末で利用できるようになります。また、決済端末の販売や関連する開発サービスも手がけています。
同社は、クラウド型電子決済を国内で初めて商用化した企業として、決済端末の集約化、障害箇所の低減、決済情報の一元管理による保守性の向上など、業界の新たなスタンダードを牽引しています。技術力だけでなく、大手POSメーカーやカード会社との連携により、クラウド型決済プラットフォームとしてのシェアを拡大してきました。
現在、同社は電子マネー、クレジット、QR・バーコード、ハウスプリペイド、共通ポイントなど44の決済サービスを提供し、1,000社を超える加盟店に導入されています。2023年3月末時点で、接続されている決済端末台数は83万台に達し、年間3.7兆円、20億件の決済処理を行う規模に成長しています。
収益源は、決済端末販売売上、開発売上、センター利用料、登録設定料、QR・バーコード精算料の5つから成り立っており、フロー収入とストック収入に区分されています。これにより、端末台数の累積に伴い、安定的な収益構造を築いています。
事業モデルは、大型加盟店向けの「POSレジ直結型」と中小加盟店向けの「CCT接続型」の2つに大別され、技術力と運用体制を強みに、さまざまな業種で導入を獲得しています。また、クレジットカード会社との協力・連携によるホワイトレーベル戦略も展開しています。
経営方針
トランザクション・メディア・ネットワークスは、キャッシュレス決済サービス事業を中心に、総合流通ソリューションの提供を目指しています。同社は、キャッシュレス決済の普及という国策を背景に、市場の拡大に伴う機会を捉え、短期及び中長期の成長戦略を推進しています。
短期的には、接続端末の増加戦略とクロスセル戦略を軸に、市場の拡大を図ります。これには、次世代決済プラットフォーム「stera」への接続や、汎用電子マネーを活用したソリューション提供が含まれます。また、新決済サービスの導入や従量課金の導入を進め、収益の拡大を目指しています。
中長期的には、「総合流通ソリューション」の提供と「情報プロセシング」の推進を通じて、新たな収益基盤の構築を目指します。これには、決済データの分析や連携を含む高度な情報処理、店舗の高度化を目的としたソリューション提供が含まれます。特に、次世代自社端末「nextore」のローンチや、地方創生を掲げた公共プロジェクトの推進など、新たな市場機会の創出に注力しています。
さらに、セキュリティ体制の継続的強化やデータセンター移設体制の強化など、事業基盤の強化にも取り組んでいます。これらの戦略を通じて、トランザクション・メディア・ネットワークスは、キャッシュレス社会の実現に貢献し、持続的な成長を目指しています。