パンチ工業【6165】 スタンダード(内国株式)

プラスチック金型やプレス金型の部品製造・販売を主軸に、携帯電話外装や自動車部品など多岐にわたる製品を手掛ける。

パンチ工業【6165】 スタンダード(内国株式)

プラスチック金型やプレス金型の部品製造・販売を主軸に、携帯電話外装や自動車部品など多岐にわたる製品を手掛ける。

事業内容

パンチ工業株式会社(以下、同社)とそのグループ会社は、プラスチック金型やプレス金型の部品製造・販売を主軸に事業を展開しています。金型は、電気製品や自動車など多岐にわたる分野で使用される金属型であり、同社はこれらの金型に必要な部品の製造に特化しています。具体的には、プラスチック金型部品としてスプルーブシュ、ゲートブシュ、エジェクタピンなど、プレス金型部品としてダイセットガイド、パンチ、ストリッパガイドなどを製造しています。

同社グループは、国内外において幅広い事業展開を行っており、国内ではパンチ工業株式会社がグループの統括機能を果たし、ピンテックや株式会社ASCeなどが特定の製品製造に特化しています。ピンテックはプラスチック金型部品の製造販売を、ASCeはFA機器の設計製造を担当しています。

海外事業では、中国、東南アジア、インド、米国を中心に展開しており、中国では大連パンチを中心に6工場で製造活動を行い、東南アジアではマレーシアパンチが統括機能を果たしています。また、ベトナム工場では日本向けのカタログ品の一部を製造販売しています。

同社は、熱処理技術や研削加工技術を活かした社内生産と、約300社の協力工場による社外生産を軸に、多品種の標準製品から特注品まで幅広く対応しています。販売面では、全国に11ヵ所の販売拠点を配置し、インターネットを活用したWeb受注体制や3次元CAD対応を強化しています。これにより、自動車や家電など多方面にわたる約6千社の顧客との取引を通じて、安定的な受注基盤を築いています。

経営方針

パンチ工業株式会社(以下、同社)は、金型部品業界でのトップブランド確立を目指し、製販一体企業としての優位性を活かした高収益企業への成長を目標に掲げています。同社の経営理念には、チャレンジ精神を持ち続けること、若い行動力とフレキシブルな発想を大切にすること、そして環境への配慮や法令遵守を通じて社会に貢献することが含まれています。

中期経営計画「バリュークリエーション2024」では、新規・既存事業の拡大、生産体制の強化、R&D強化を重点経営課題としています。これらの課題に対応するため、DX推進、財務戦略、サステナビリティを経営基盤の強化策として位置づけています。

新規・既存事業の拡大では、自動化・省人化需要を新たな成長エンジンとし、特注品で培った技術力を応用してFA領域の特注品販売拡大に取り組んでいます。また、受注システムの改良やお客様フォロー体制の強化を通じて、日本・中国の販売強化と、日本・中国以外の販売網拡大を目指しています。

生産体制の強化では、グローバル調達の強化、海外工場の生産キャパシティ・技術・品質の改善、国内工場の生産量向上、グループ生産体制の整備を行っています。ITツールを活用した業務効率化も進めており、自動化・省力化による生産性改善を図っています。

R&D強化では、技術力の向上と新技術開発に注力しており、特に航空宇宙関連に注目しています。2023年5月には、民間企業で世界初の月面探査に挑む企業との技術パートナー契約を締結しました。

DX推進では、ITツールを活用した新サービスの構築や、社内ITインフラの刷新、データ整備・分析の強化に取り組んでいます。財務戦略では、ROI経営に注力し、企業価値の向上を目指しています。サステナビリティでは、脱炭素や人権尊重など、地球環境や社会の課題解決に積極的に取り組んでいます。

これらの戦略を通じて、同社は持続可能な成長と企業価値の向上を目指しています。