事業内容
パイオラックスは、自動車関連製品の製造販売を主軸に据え、医療機器の製造販売も手がける多角的な事業を展開しています。同社グループは、パイオラックスを含む子会社17社(国外10社含む)と関連会社2社で構成されており、グローバルに事業を展開しています。
自動車関連製品セグメントでは、工業用ファスナーや精密ばねなどを製造販売しており、これらは主に車の内装や外装の結束具として使用されます。日本国内では、パイオラックスエイチエフエス、ピーエムティー、ピーエヌエス、パイオラックス九州、ケーアンドケーが製造を担当し、パイオラックスを通じて日産自動車をはじめとする自動車会社や関連会社に販売しています。また、ケーエッチケー販売は小口の得意先への販売を、パイオラックスビジネスサービスは経理、人事、総務業務をそれぞれ担当しています。海外では、アメリカ、イギリス、韓国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシアにおいて自動車部品の製造販売を行っています。
医療機器セグメントでは、パイオラックスメディカルデバイスが医療関連製品の製造販売を行っており、自動車関連製品とは異なる市場へのアプローチを図っています。
さらに、パイオラックスは自動車用ボルトの大手メーカーである佐賀鉄工所との間で包括的な業務提携契約を締結し、グローバルな協力関係の構築を目指しています。これにより、同社は自動車関連製品の製造販売を核としつつ、医療機器分野への進出や他社との連携を通じて、事業の多角化とグローバル展開を進めています。
経営方針
パイオラックスは、1933年の創業以来、自動車産業や電機通信産業向けの精密金属ばねの生産を手始めに、合成樹脂を素材としたファスナー類の開発・製造、さらには1990年代には医療機器分野へと事業を拡大してきました。同社は、「弾性を創造するパイオニア」というコーポレート・アイデンティティのもと、金属や樹脂をはじめとするあらゆる素材の「弾性」を科学することで、広く産業・社会に貢献することを経営の基本方針としています。
中期経営計画(2023年度~2025年度)では、同社グループは「弾性を創造するパイオニアとして、広く産業や社会に貢献する」をビジョンに掲げ、5つの基本方針に基づき、5つの経営戦略を立てています。具体的な経営指標としては、2026年3月期までに連結売上高720億円、連結営業利益87億円、ROE8%以上、連結配当性向100%(2022~2025年度の4年間)の達成を目標としています。
基本方針としては、既存事業の変革、新規/次世代事業への挑戦、経営基盤強化、将来に向けた積極投資、ESG経営の推進を掲げています。経営戦略としては、商品・顧客戦略、事業戦略、地域別戦略、成長投資戦略、経営資本戦略を挙げています。
パイオラックスは、自動車産業向け部品供給を事業の中核としながら、グローバルな展開を急速に進め、多様かつ高度なニーズに積極的に応えることを中長期的な経営戦略として位置付けています。同社グループは、上記の中長期的な経営戦略を明確化するために3年先までの中期経営計画を毎年ローリング方式で策定しており、今後も自動車産業で培った高度な弾性技術を用いて、適切で戦略的な多角化を図りつつ、広く産業・社会に貢献していく方針です。