日本精鉱【5729】 スタンダード(内国株式)

アンチモン事業では難燃剤や触媒用三酸化アンチモンを製造し、金属粉末事業では電子部品用銅粉や粉末冶金用青銅粉を提供する。

日本精鉱【5729】 スタンダード(内国株式)

アンチモン事業では難燃剤や触媒用三酸化アンチモンを製造し、金属粉末事業では電子部品用銅粉や粉末冶金用青銅粉を提供する。

事業内容

日本精鉱は、主にアンチモン事業と金属粉末事業の2つの事業セグメントを展開しています。アンチモン事業では、プラスチック材料に添加される難燃剤や、ポリエステルやアクリル系樹脂の触媒として使用される三酸化アンチモンを製造・販売しています。また、ブレーキ材料として使用される三硫化アンチモンや、耐熱性が求められるエンプラ系樹脂の難燃剤用アンチモン酸ソーダも取り扱っています。これらの製品は、直接販売される場合と代理店を通じて販売される場合があります。

日本精鉱の連結子会社である日テイ精礦(上海)商貿有限公司は、中国国内市場でアンチモン製品の販売と原料の調達を行っています。金属粉末事業では、連結子会社の日本アトマイズ加工株式会社が、電子部品用の金属粉末や粉末冶金用の金属粉末を製造・販売しています。具体的には、導電ペースト用の銅粉や貴金属粉、パワーインダクタ用の鉄系合金粉、精密モーター軸受用の青銅粉や黄銅粉、自動車部品用の銅粉などがあります。

また、日本精鉱は本社ビルの一部を賃貸する不動産賃貸事業も行っています。これにより、事業の多角化を図り、安定した収益基盤を築いています。日本精鉱は、これらの事業を通じて、幅広い産業分野に貢献しています。

経営方針

日本精鉱は、持続可能な成長を目指し、2023年から2025年までの中期経営計画を策定しています。この計画のスローガンは「Challenge for Sustainable Growth」であり、グループ全体の力を活かして事業の成長を推進することを目指しています。具体的な施策として、グループ連携の強化、収益力の改善、新たな価値を生み出す事業の創出、そして魅力ある会社づくりを掲げています。

グループ連携の強化では、経営管理機能の拡充や経営資源の戦略的配分、共同研究開発体制の推進を進めています。収益力の改善においては、自動化・省人化によるコスト削減や高付加価値製品の拡充、デジタル化による業務プロセスの効率化を図っています。新たな価値創出では、オープンイノベーションを通じた新規事業の創出や車載向け製品の強化、サステナビリティ事業への取り組みを進めています。

また、魅力ある会社づくりとして、多様な人材が活躍できる環境の整備やステークホルダーエンゲージメントの強化、SDGs活動の推進を行っています。これらの施策を通じて、日本精鉱は企業価値の向上を目指し、2025年3月期には連結営業利益11億円以上、連結ROE7%以上を目標としています。事業環境の変化に対応しつつ、持続可能な成長を実現するための戦略を推進しています。