事業内容
アサカ理研は、主に3つの事業セグメントを展開しています。まず、貴金属事業では、電子部品屑や廃棄品から金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を回収し、精製して販売しています。このプロセスには、独自の「ハイエクト装置」を用いた溶媒抽出法が用いられています。
次に、環境事業では、プリント配線基板メーカーから使用済みの塩化第二鉄廃液を再生し、新液として販売しています。また、副産物として回収される銅を加工し、鉄鋼メーカーなどに販売しています。この事業は、廃液の再利用と資源の有効活用を目指しています。
システム事業では、製造業向けに各種計測データ処理システムや自動計測システムの開発・販売を行っています。特に、ISO9000やTS16949といった品質マネジメントシステム規格をサポートし、顧客の生産効率向上に貢献しています。
さらに、アサカ理研の子会社であるアサカ弘運株式会社は、貴金属事業と環境事業の運搬業務を担当しています。産業廃棄物の収集運搬業の認可を受け、工業用薬品や電子部品屑の運搬を行っています。
経営方針
アサカ理研は、地球資源の有効活用と環境保全を重視し、資源の再生技術を基盤とした成長戦略を掲げています。同社は、資源循環社会の実現に貢献するNo.1企業を目指し、既存事業の安定と新規事業の創造に取り組んでいます。特に、独自技術を活用した新製品・サービスの開発を通じて、企業価値の向上を図っています。
同社の経営戦略は、持続的な成長を目指し、経営資源を重点領域に集中させることです。既存事業では、電子部品・デバイスメーカーとの関係強化と技術開発を進め、収益性の向上を図っています。また、新規事業としてリチウムイオン電池(LiB)再生事業に注力し、独自技術の開発と電池メーカーとの提携を進めています。
アサカ理研は、事業構造の転換を図るため、新規事業の創出と新市場の開拓を加速しています。特に、サステナビリティを重視した事業の再構築を進め、海外市場も視野に入れた成長を目指しています。また、研究開発体制の強化や人材の活性化にも注力し、イノベーションを推進しています。
同社は、リチウムイオン電池再生事業の早期収益化を重要課題と位置付けています。いわき工場への生産設備導入を進め、調達資金を活用して事業の早期収益化を実現する計画です。これにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。