事業内容
エンビプロ・ホールディングスは、純粋持株会社制を採用し、複数の事業セグメントを展開しています。主な事業セグメントには、「資源循環事業」、「グローバルトレーディング事業」、「リチウムイオン電池リサイクル事業」があります。これらの事業を通じて、同社は持続可能な社会の実現に貢献しています。
資源循環事業では、工場や解体物件から排出される金属スクラップや産業廃棄物を収集し、中間処理を行います。これにより、鉄スクラップや非鉄金属、プラスチック、ゴムなどのリサイクル資源を生産し、国内外で販売しています。この事業は、株式会社エコネコルや日東化工株式会社などが担っています。
グローバルトレーディング事業では、エンビプロ・ホールディングスが生産したリサイクル資源を集荷し、国内外で販売しています。また、リサイクル資源の輸入や三国間貿易、輸出入業者向けの物流代行サービスも提供しています。海外拠点としては、チリ、ベトナム、英国、オランダに拠点を持ち、グローバルな展開を行っています。
リチウムイオン電池リサイクル事業では、電池工場から排出される廃材や使用済み電池を処理し、コバルト、ニッケル、リチウムを含む希少金属の濃縮滓を生産・販売しています。この事業は、株式会社VOLTAなどが担当しています。
さらに、エンビプロ・ホールディングスは「環境経営コンサルティング事業」や「障がい福祉サービス事業」も展開しています。これにより、企業の環境経営やESG投資対応を支援し、障がい者の就職支援を行っています。これらの多角的な事業展開により、同社は持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けています。
経営方針
エンビプロ・ホールディングスは、持続可能な社会の実現を目指し、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた成長戦略を推進しています。同社は、サーキュラーエコノミー(循環経済)をリードすることを戦略コンセプトとし、「モノづくりを支えるCE」と「地域を支えるCE」に分けて取り組んでいます。これにより、低炭素なリサイクル原料の需要に応えるとともに、ベースメタルやレアメタル、ポリマーの再生素材製造に挑戦しています。
同社は、2029年6月期を最終年とする5カ年の中期経営計画を策定し、資源循環事業、グローバルトレーディング事業、リチウムイオン電池リサイクル事業などの重点領域での成長を目指しています。資源循環事業では、拠点間の連携強化や生産性向上を図り、金属資源循環やポリマー資源循環の統合を進めています。また、原材料の安定確保や新たなリサイクル技術の開発にも注力しています。
グローバルトレーディング事業では、国内外での事業展開を進め、特に東南アジア市場でのビジネスモデルの展開を目指しています。物流代行サービスの成長には人材が鍵となるため、人的資本への投資を強化しています。リチウムイオン電池リサイクル事業では、競争優位性を確立するために、国内拠点の拡充や製造プロセスの効率化を進めています。
さらに、エンビプロ・ホールディングスは、環境経営コンサルティング事業や障がい福祉サービス事業を通じて、企業の環境経営支援や障がい者の就職支援を行っています。これらの取り組みにより、同社は持続可能な社会の実現に向けた多角的なアプローチを続けています。