事業内容
日本精線は、ステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン)の製造販売を主軸に展開する企業グループです。このグループは、日本精線を含む親会社と子会社5社で構成されています。事業は大きく二つのセグメントに分けられます。
伸線加工事業セグメントでは、ステンレス鋼線の製造販売が中心です。日本精線、THAI SEISEN CO., LTD.、大同不銹鋼(大連)有限公司がこのセグメントの主要な製造拠点であり、大同特殊鋼㈱が原材料の主要供給元となっています。また、日精テクノ㈱は直線切断加工や磨引伸線加工を担当しています。さらに、ダイヤモンド工具の製造販売もこのセグメントに含まれ、主に日本精線とTHAI SEISEN CO., LTD.が担っています。
金属繊維(ナスロン)セグメントでは、日本精線と耐素龍精密濾機(常熟)有限公司が製造販売を行い、韓国ナスロン㈱が販売支援を提供しています。このセグメントでは、特に耐素龍精密濾機(常熟)有限公司の製品の一部を日本精線が仕入れ、また材料の一部を販売しています。
加えて、大同興業㈱はステンレス鋼線の主要販売先であり、原材料の購入先でもあります。これらの事業活動を通じて、日本精線グループは多岐にわたる産業分野に対して高品質な製品とサービスを提供しています。
経営方針
日本精線は、ステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン®)を主力製品とし、技術力と新しい分野への挑戦を通じて社会の発展に貢献しています。同社は、環境・エネルギーのクリーン化やデジタル化の進展に伴い、ステンレス分野での期待が高まっていることに対応し、「Micro & Fine Technology」をスローガンに掲げ、次世代素材や技術開発をリードしています。また、市場の変化に迅速に対応できる柔軟な経営体制の構築を通じて、安定した収益基盤の維持・拡大を目指しています。
中期経営計画「NSR23」では、「日本精線リニューアル(NSR)継続推進と高機能・独自製品でサステナビリティに貢献」をスローガンに掲げ、高機能・独自製品の比率を一層高め、企業価値向上に努めています。経営目標としては、連結経常利益42億円、連結売上高経常利益率(ROS)10%以上、連結総資産経常利益率(ROA)10%以上を掲げ、2030年度のCO2排出量削減目標▲30%(2013年度比)を設定し、ESG経営を推進しています。
同社は、サステナビリティ経営を基に、環境問題、人権尊重、健康経営、公正な取引、事業継続マネジメント(BCM)などの重要な経営課題に対して計画的に取り組んでいます。生産プロセスで排出されるCO2や廃棄物の削減を意識し、持続可能な社会の実現を目指しています。また、高機能・独自製品の安定提供を通じてサステナブル社会に貢献することも同社の責務と認識しています。
このように、日本精線は、技術革新とサステナビリティを重視した成長戦略を推進し、グローバルな市場での競争力を高め、企業価値の向上を目指しています。