日本電解【5759】 グロース(内国株式)

硫酸銅を主成分とする電解液から金属銅を薄膜状に析出生成し、加工する電解銅箔製造事業を展開。

日本電解【5759】 グロース(内国株式)

硫酸銅を主成分とする電解液から金属銅を薄膜状に析出生成し、加工する電解銅箔製造事業を展開。

事業内容

日本電解は、自社および子会社2社(連結子会社1社、非連結子会社1社)で構成される企業グループであり、主に電解銅箔製造事業を手がけています。この事業は、硫酸銅を主成分とする電解液から金属銅を薄膜状に電気分解により析出させ、加工することに特化しています。電解銅箔は、電子・電気機器の回路基板の導体や、電気自動車などの電動機械に使用されるリチウムイオン二次電池(LIB)の負極集電体に主に用いられるなど、日常生活に欠かせない様々な機器に使用されています。

同社の製造工程は、ベース箔製造工程、粗化・表面処理工程、スリット・検査工程、出荷工程の4段階に分かれており、資源リサイクルから得られる銅材料を使用しています。特に、ベース箔製造工程では、硫酸銅溶液を電解槽内で電気めっきすることにより、帯状の銅箔を製造しています。この銅箔は、車載電池用銅箔や微細回路基板用銅箔など、様々な用途に応じた製品として提供されています。

日本電解グループは、高品質な銅箔製品を提供するために、製品の厚さや品質管理において高い精度を要求されています。例えば、車載電池用銅箔や高強度銅箔は、高い引張強さを持ちながらも、加工工程でのしわや不具合が発生しにくい特性を持っています。また、キャリア付極薄銅箔は、200℃を超える温度でも安定した剥離強度を有しています。

同社は、本社工場と連結子会社であるDenkai America Inc.の2拠点で製造を行っており、車載電池用銅箔や高強度銅箔、微細回路基板用銅箔、キャリア付極薄銅箔などの製造販売を行っています。また、連結子会社は汎用箔の製造販売も手がけており、米国内の大手銅張積層板メーカー等への販路を有しています。これらの製品は、5G関連製品のバリューチェーンの中で高機能電解銅箔として位置づけられており、日米の大手銅張積層板メーカーを通じて、5Gスマートフォンや5G基地局の実装OEMメーカーへの販路を有しています。

経営方針

日本電解は、電解銅箔製造事業を核として、電子・電気機器や電動機械に不可欠な銅箔を提供しています。同社は、高付加価値分野へのシフト、技術力の更なる強化、連結子会社との事業シナジー拡大を中長期的な経営戦略として掲げています。

高付加価値分野へのシフトでは、車載電池用銅箔や高速通信分野をターゲットに、収益性の高い製品の販売比率向上を目指しています。技術力の強化に関しては、プロセス技術開発の推進を通じて製品の品質向上や生産効率の改善を図り、コスト競争力の確保に努めています。また、市場ニーズに適合する製品の開発も積極的に推進しています。

連結子会社との事業シナジー拡大については、電動自動車シフトの加速と車載用リチウムイオンバッテリー(LIB)向け銅箔需要の高まりを背景に、連結子会社での車載電池用銅箔生産開始に向けた体制整備を進めています。また、米国市場への製品供給強化や、連結子会社が有する顧客基盤を通じた輸出販売の促進、技術支援を通じた品質向上などに取り組んでいます。

さらに、ESGへの取り組みとして、脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献する方針を打ち出しています。銅材料の100%再利用や車載電池用銅箔によるxEV普及への寄与を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

これらの戦略を通じて、日本電解は、技術のパイオニアとしてのプライドを持ち、先端技術の探求と研究開発に取り組み、グローバル市場で選ばれる電解銅箔メーカーとしての地位を確固たるものにしていく方針です。