株式会社T.S.I（以下、同社）は、日本の超高齢社会において、在宅独居高齢者の孤独死や要介護者の在宅生活の限界、特養の入所待機者の解消という社会課題を解決することを目的としています。同社は、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護／介護予防・日常生活支援」及び「居宅介護支援」を行っており、これらのサービスを通じて、自宅で看取られたいと望む高齢者が安心して住める住まいと介護サービスを提供しています。

同社グループの事業セグメントは、高齢者住まい法に基づくサービス付き高齢者向け住宅の運営、及び介護保険法に基づく訪問介護、居宅介護支援等を行う「介護事業」と、同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」の建築請負を行う「不動産事業」で構成されています。特に、サービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」では、設計・建築・運営までを一気通貫で提供し、要介護2～3程度の介護が必要な方を主たる顧客層としています。

同社のサービス付き高齢者向け住宅は、医療体制や介護体制が整っており、入居者には安否確認や生活相談サービスが提供されます。また、生活支援サービスでは、安否確認やレクリエーションを毎日実施し、希望者には有償での介護サービスも提供しています。

訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」では、主に「アンジェス」の入居者に向けて訪問介護を提供し、スタッフはサービス付き高齢者向け住宅のスタッフも兼務しています。居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」では、主に「アンジェス」の入居者を対象にサービスを提供しており、利用者やその家族に対して介護や支援の内容について確認し、ケアプランを作成します。

不動産事業では、株式会社北山住宅販売が「アンジェス」の設計・建築・不動産販売を行っており、サービス付き高齢者向け住宅建築に特化したノウハウを蓄積しています。これにより、設計期間の短縮化・効率化と介護向けの建物としての質の向上を図っています。

株式会社T.S.I（以下、同社）は、高齢者が終末期まで安心して暮らせる住居と介護サービスの提供を目指しています。同社の成長戦略は、全国47都道府県への事業展開と事業規模の拡大に重点を置いています。経営理念「愛ある日々のお手伝い」のもと、質の高い介護サービスの提供を目指し、介護スタッフの育成にも力を入れています。

同社は、サービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」の設計・建築・運営を一気通貫で行うことで、各地域でのドミナント展開を進めています。また、新規拠点開設時には自社の営業部隊を投入し、地域との関係性づくりに注力。これにより、開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は96.1％に達しています。

2022年には岐阜県と大阪府に新規拠点を開設し、2023年にはさらに2棟106室の新規開設を予定しており、特に関東エリアへの注力を計画しています。さらに、訪問看護事業の立ち上げも計画し、新たな収益の柱を育てる方針です。

経営上の目標としては、新規開設居室数の増加と売上高経常利益率の向上を重要な指標としています。また、人材確保と育成、リスク管理・コンプライアンスの徹底、内部管理体制の強化にも力を入れています。これらの戦略を通じて、同社は持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。