事業内容
大阪製鐵は、鉄鋼業を主軸に展開する企業グループであり、形鋼、棒鋼、平鋼などの鋼材及び鋼片、さらには鉄鋼加工品の製造販売を手掛けています。同社グループは、大阪製鐵を含む親会社1社と子会社4社で構成されており、2023年3月31日現在、前年度に連結子会社だった大阪物産株式会社が清算結了したことにより、この体制となっています。
同社グループの事業セグメントは、主に以下の通りです。大阪製鐵自体が、形鋼や棒鋼、平鋼などの鋼材や鋼片、鉄鋼加工品の製造販売を行っています。親会社である日本製鉄株式会社は、各種鉄鋼製品の製造販売を担っています。
子会社には、東京鋼鐵株式会社がおり、これも形鋼や鋼片、鉄鋼加工品の製造販売を行っています。大阪新運輸株式会社と西鋼物流株式会社は、鋼材等の運送及び構内作業を担当しており、物流面で同社グループを支えています。また、海外においては、PT.KRAKATAU OSAKA STEELが鋼材の製造販売を行っており、グローバルな事業展開も見せています。
これらの事業セグメントを通じて、大阪製鐵グループは鉄鋼業界において幅広い製品とサービスを提供し、多岐にわたる顧客ニーズに応えています。
経営方針
大阪製鐵は、電炉法による鉄リサイクルを通じて循環型社会および脱炭素社会への貢献を目指しています。同社は、製造実力とコスト・品質競争力の強化を図り、トップサプライヤーとしての地位を確立することを中心に据えた中期経営計画を策定し、2021年4月に公表しました。この計画では、国内外の事業成長のための投資やグループ全体の最適化・効率化を目指しています。
具体的な取り組みとして、大阪事業所の収益と事業基盤の強化、グループ全体構造の見直し、およびグループ経営の深化が挙げられます。これには、日本スチール株式会社の吸収合併によるシナジー追求や、製鋼から圧延までの一貫管理強化が含まれます。また、お客様満足度の向上、設備投資の選択と集中、業務効率化の推進も重要な柱です。
さらに、東南アジア市場での成長戦略として、インドネシア事業の黒字定着化や収益拡大、JVパートナーとの連携強化、輸出拡大などに取り組んでいます。省エネ施策の推進やグループガバナンスの強化、働き方改革の推進も同社の重要な課題です。
これらの施策を通じて、大阪製鐵は2025年度に向けてROS目標10%程度、設備投資計画230億円/5年、配当性向30%程度目安を設定しています。同社は、厳しい経営環境の中でも、顧客ニーズに応え、持続可能な成長を目指しています。