事業内容
沿革・会社概要
アイペットホールディングス株式会社は東京都港区に本社をおく企業で、ペットの保険事業を展開している。2004年5月、東京・銀座に(株)スロー・グループとして設立。同年の9月に「アイペットクラブ健康促進共済事業(任意組合)」を設立し、共済事業を開始。
2006年6月、特定保険業者として関東財務局へ届出し、2008年2月に「アイペット」に社名変更。2012年3月に損害保険業免許を取得。アイペット損害保険株式会社へ社名を変更。2018年4月に、東京証券取引所マザーズに上場。2020年10月よりホールディングス化。
「ペットとの共生環境の向上とペット産業の健全な発展を促し、潤いのある豊かな社会を創る。」という経営理念を持っている。
提供しているペット保険には、ペットを家族の一員として飼育している顧客がもしもの時に不安なく、安心して「うちの子」に治療をうけさせることができるようにとの思いが込められている。
顧客と大切なペットが豊かで楽しい生活が送れることがペット共生社会の実現に貢献するものであると考え、今後もペット保険事業を展開し、損害保険会社として社会的責任を果たしていくことを目指す。
事業内容
アイペットでは、ペット用の保険商品は『うちの子』『うちの子プラス』『うちの子ライト』『うちの子キュート』の4タイプを販売している。また、『ワンペディア』、『にゃんペディア』、『PEDGE(ペッジ)』の3つの自社メディアの運営を開始している。
『うちの子』及び『うちの子プラス』
犬・猫向けのペット医療費用保険だ。顧客のニーズに合わせ、ペットの通院から入院・手術まで幅広くカバーしている。
『うちの子ライト』
ペット手術費用保険で、手術と手術を含む連続した入院に補償を限定し、保険料を抑えている。
『うちの子キュート』
エキゾチックアニマル向けのペット医療費用保険となっている。
販売チャネルは2つある。主にペットショップ代理店及び一般代理店等からなる代理店チャネルと、インターネット等を通じた募集を行うダイレクトチャネルだ。これらの販売チャネルで、顧客ニーズやシーンに合わせて商品を案内している。
保険金の支払いについては、顧客が利用する動物病院によって、アイペット対応動物病院で診察を受ける場合と、アイペット対応動物病院以外で診察を受ける場合の2通りの方法で行っている。
その他サービス等では、アイペット損害保険と提携している全国の様々な施設やお店で、アイペット損害保険のペット保険の契約者・被保険者が利用できる優待サービス『クラブアイペット』を提供している。また、2015年10月より『ワンペディア』、『にゃんペディア』、『PEDGE(ペッジ)』の3つの自社メディアの運営を開始している。
経営方針と経営指標
持続的な成長に向けて、成長を表す指標である「経常収益」と、事業の成果を示す「未経過保険料方式による経常利益」を重要な指標として位置付けている。
未経過保険料方式による経常利益は、発生主義による利益と同額となり経営実態を適切に反映することから、当該指標を利用している。
なお、アイペット損害保険は経営者が意思決定する際に使用する社内指標及び日本基準に基づく指標の双方によって、経営成績を開示している。
経営戦略と経営環境
アイペット損害保険は、成長市場であるペット保険事業の更なる拡大・強化に努め、2018年7月に「保険事業の経常収益を5年で2倍にする」、「持株会社へ移行し、事業領域を拡大する」、「デジタライゼーションを推進する」を重点方針とした中期経営計画(3か年計画)を公表し、持続的成長に向けた各種施策に取り組んでいる。
中期経営計画を前事業年度の成果をもとに毎年次の3か年の計画に進化させているが、当事業年度においては、2019年からの3か年計画にアップデートし、「保険事業の更なる強化」、「持株会社への移行」、「デジタライゼーションを梃子にした発展」の施策を重点的に実施した。
ペット業界においては、矢野経済研究所が2019年12月に発行した「ペットビジネスマーケティング総覧2020年版」によると、2018年度ペット関連市場規模は小売金額ベースで前事業年度比1.6%増の1兆5,442億円で推移し、2019年度は前事業年度比1.7%増の1兆5,700億円と見込まれるなど、今後もペット関連市場は拡大していくものと予測されている。
対処すべき課題
アイペット損害保険は、中期経営計画に基づく経営を推進するにあたり、優先的に対処すべき4つの課題について取り組んでいくとしている。
保険事業の更なる強化
常に顧客主義を徹底し、業務フローを徹底的に見直すことにより効率化を図りつつ、顧客に寄り添うことを具現化することで、継続して業務品質の向上を図っていきたいと考えている。
持株会社への移行
近年のペット業界の重要なテーマとしては、ペットの病気に対する不安や経済的負担、正確な医療情報提供、医療の高度化等の医療に関する以外にも、殺処分、ペット・飼い主の高齢化、不動産等のペットの共生インフラ、ペットの飼育頭数減少などが挙げられるため、アイペット損害保険は、持株会社へ移行してグループの事業を通じてこれらの課題に向き合いたいと考えている。
システムの強化
システムを活用した事務処理の効率化を積極的に推進し、リーンオペレーションの実現と事務コストの抑制に努め、加えて、顧客手続きのオンライン化等、顧客やステークホルダーの皆さまの更なる満足度の向上に向けたシステム対応を今後も行っていくとしている。
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進
投資家をはじめとするステークホルダーにより信頼してもらえるよう、これまで行ってきた取組みの継続、進化、新たな取組みへの挑戦等を行っていくとしている。