東洋炭素【5310】 プライム(内国株式)

等方性黒鉛材料を中心に、特殊黒鉛製品、一般カーボン製品、複合材その他製品の製造・販売を行い、産業機械、自動車、家電から原子力、宇宙航空、医療、エネルギー分野まで幅広く対応。

東洋炭素【5310】 プライム(内国株式)

等方性黒鉛材料を中心に、特殊黒鉛製品、一般カーボン製品、複合材その他製品の製造・販売を行い、産業機械、自動車、家電から原子力、宇宙航空、医療、エネルギー分野まで幅広く対応。

事業内容

東洋炭素は、等方性黒鉛材料を中心に、カーボン製品の製造、加工、販売を行っている企業です。同社グループは、国内外に広がる製造拠点と販売網を有し、多品種少量生産に対応しています。1974年には、等方性黒鉛材料の量産化に成功し、その用途を拡大してきました。同社の製品は、産業機械、自動車、家電から、原子力、宇宙航空、医療、エネルギーなどの先端分野に至るまで幅広い分野で使用されています。

特に、エレクトロニクス分野では、単結晶シリコン製造用のるつぼやヒーター、化合物半導体製造用のMOCVD装置用サセプター、太陽電池製造用の部材などがあります。一般産業分野では、連続鋳造用ダイス、放電加工電極、各種工業炉用ヒーター・構造材などを提供しています。また、原子力・宇宙航空・医療用途にも製品を供給しており、高温ガス炉用炉心材やロケット用部品、CTスキャン用部品などが挙げられます。

一般カーボン製品においては、機械用カーボン分野でのポンプ・コンプレッサー用軸受やシール材、電気用カーボン分野での小型モーター用カーボンブラシや大型モーターブラシなどがあります。さらに、複合材その他製品として、SiCコーティング黒鉛製品やC/Cコンポジット製品、黒鉛シート製品などを製造販売しています。

東洋炭素は、カーボン素材の分析データと顧客ニーズを基に基礎研究および応用研究に取り組み、製品の開発を進めています。これにより、同社製品の用途はさらに拡大しており、顧客の多様なニーズに迅速に対応しています。

経営方針

東洋炭素は、カーボン製品の製造、加工、販売を手掛ける企業であり、その成長戦略は、独自の技術力とグローバルな展開を核としています。同社は、「C(カーボン)の可能性を追求し世界に貢献する」という経営理念のもと、革新的な製品とサービスを提供し、社会に貢献することを目指しています。中長期的な経営戦略として、高成長・高付加価値事業の拡大、生産技術の革新、競争力の強化、そして海外展開の強化を掲げています。

同社は、不透明かつ不安定な経営環境の中で、デジタル社会や循環型社会への移行をチャンスと捉え、エレクトロニクス分野や自動車産業などで新たなニーズの出現や技術革新に対応することで、事業機会の創出を目指しています。また、事業ポートフォリオの構築と強固なガバナンス体制の確立を通じて、変化する市場ニーズに迅速に対応し、グローバル市場での成長を加速させることを目標としています。

具体的な経営指標としては、2027年に売上高665億円、営業利益135億円を達成し、全社でのROEは10%以上を目指しています。これを実現するために、東洋炭素は、生産性向上によるコスト競争力の向上、技術革新に対応した新製品および高付加価値製品の開発・増強に取り組み、顧客ニーズに真摯に向き合いながら、事業機会を着実に取り込む方針です。

このように、東洋炭素は、独自の技術力とグローバルな視点を活かし、持続可能な成長を目指しています。同社の戦略は、カーボン素材の可能性を最大限に引き出し、社会に貢献することにより、企業価値および社会的価値の拡大を図ることにあります。