事業内容
日本インシュレーションは、建築関連とプラント関連の二つの主要な事業セグメントを持つ企業です。同社は、ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とした保温材、防耐火建材等の製造、販売及び設計・施工を行っています。これらの製品は、耐火性、断熱性、軽量性、加工しやすさ、経年変化が少ないといった特性を持ち、高層建築物や石油化学プラント、火力・原子力発電所等で広く使用されています。
建築関連セグメントでは、耐火被覆材、内装建材、多機能材などの製品を提供しています。耐火被覆材は、鉄骨耐火被覆材や免震装置耐火被覆材、ケーブル延焼防止材などがあり、火災時に建物の構造部材を保護する役割を果たします。内装建材には、不燃内装建材や調湿建材・不燃断熱建材が含まれ、建築基準法に基づく認定を取得しています。多機能材としては、工芸用ボードやCFRP用型材、無機粉体などがあり、建材以外の用途にも対応しています。
プラント関連セグメントでは、プラント用保温材や工業用断熱材を提供しており、これらは1000℃の高い耐熱性を持つけい酸カルシウム保温材で、熱設備や高圧蒸気用の温熱配管等に適しています。また、ジェイ アイ シー ベトナム有限会社(連結子会社)では、バイオマスを原燃料としたけい酸カルシウム保温材を製造し、東南アジア・東アジアの市場に供給しています。
さらに、日本インシュレーションは、耐火被覆材の施工請負やアスベスト含有建材の除去工事も行っており、顧客の要求に応じた商品の仕入れと提供も事業の一環としています。これにより、同社は建築物やプラントの安全性と機能性の向上に貢献しています。
経営方針
日本インシュレーションは、サステナビリティ経営を基本テーマに据えた中期経営計画を推進しています。2021年から2023年度を対象期間とするこの計画では、脱炭素社会への貢献、レジリエントな社会実現への貢献、ステークホルダーとのエンゲージメント深化、ガバナンスの高度化を主要方策として掲げています。特に、同社は保温・断熱材や耐火・耐熱材の製造販売・施工を通じて、SDGsの目標に貢献していることを強調しています。
脱炭素社会への貢献に関しては、バイオマス発電やアンモニア混焼発電など、熱を扱うプラントの省エネルギーに不可欠な保温保冷工事に注力しています。また、ベトナム工場で製造する保温材「ダイパライト-E」は、バイオマス由来で二酸化炭素排出量削減に貢献しています。
レジリエントな社会実現への貢献としては、建物の耐火性向上による都市防災への貢献や、防災関連商品の開発を推進しています。さらに、けい酸カルシウム材を用いた新商品の開発にも力を入れています。
ステークホルダーとのエンゲージメント深化では、取引先、株主、従業員、地域社会との信頼関係構築を目指し、コミュニケーションの強化に努めています。また、ガバナンスの高度化を通じて、企業の公正性、透明性、客観性の向上を図っています。
これらの取り組みを通じて、日本インシュレーションは、技術力と開発力の強化、収益力の向上を目指し、企業価値のさらなる高めることに努力しています。同社の成長戦略は、サステナブルな社会の実現に貢献することを目的としており、その実現に向けた具体的なアクションを進めています。