事業内容
ワシントンホテルは、ホテル事業を主軸に展開している企業で、特に「ワシントンホテルプラザ」と「R&Bホテル」という2つのブランドを中心に運営しています。ワシントンホテルプラザは、1969年の開業以来、ビジネスパーソンを主なターゲットに、主要駅や繁華街に近い立地で、安全かつ低料金の宿泊サービスを提供してきました。このブランドでは、シングル、ツイン、ダブルなど多様な部屋タイプを保有し、一部のホテルでは飲食店や宴会場も併設しています。2023年3月期のワシントンホテルプラザの平均客室単価(ADR)は6,497円、稼働率は73.3%、1室あたりの収益(RevPAR)は4,762円となっています。
一方、R&Bホテルは宿泊特化型ホテルとして、主に首都圏を中心に展開しており、女性客でも安心して宿泊できるようなサービスを提供しています。客室は主にシングルルームを提供しており、チェックインの工程を細分化することで、少人数オペレーションを実現し、リーズナブルな価格での宿泊が可能です。2023年3月期のR&BホテルのADRは6,615円、稼働率は63.9%、RevPARは4,229円と報告されています。
ワシントンホテルは、これら2つのブランドを通じて、全国に43ホテル、総客室数9,592室を展開しており、ビジネスや観光など様々な目的での宿泊ニーズに応えています。また、ホテル事業以外にも、ゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託なども手がけていますが、その収益は全体のわずかな部分を占めています。
加えて、同社は客室販売において、自社サイト「宿泊ネット」やオンライン旅行予約サイト、旅行会社を通じた販売を主要な経路としており、インターネット経由の販売が全体の75.9%を占めています。また、ロイヤルカスタマーを囲い込むための会員システムも提供しており、宿泊ネットでは宿泊料金の7%をポイントとして還元しています。
経営方針
ワシントンホテルは、安全・清潔・親切心あふれるリーズナブルなホテル事業を通じて、旅する人と働く人を幸せにすることを経営理念としています。同社は、高い収益性の維持と企業価値の向上を目指し、新規出店やリニューアルを通じた収入増加とコスト管理に努めています。2024年3月期の業績予想では、売上高営業利益率8.8%を見込んでおり、売上高は19,279百万円、営業利益は1,703百万円と予測しています。
同社は、国内レジャー客やインバウンドの利用増を目指し、既存店のリニューアル投資を進めています。また、会員プログラム「宿泊ネット」の会員数増加を図り、2025年度末までに会員数50万人を目標としています。営業セールスと告知の強化、オペレーションの改善、適正価格化を通じて、競争力の強化に取り組んでいます。
具体的には、国内外の旅行代理店への営業セールスや旅行博覧会への参加、デジタルを活用した広告活動を強化しています。また、RPAを用いた価格変動自動化ツールの導入や客室清掃の一部内製化、ITを活用した教育訓練ツールの導入などにより、生産性の向上とサービス品質の向上を図っています。
これらの取り組みは、国内レジャーやインバウンドの宿泊需要拡大に対応し、ビジネス宿泊需要の減少や原材料・エネルギー価格の上昇といった経済環境の変化にも対応するためのものです。ワシントンホテルは、これらの成長戦略を通じて、持続可能な成長と企業価値の向上を目指しています。