事業内容
タカラバイオは、バイオテクノロジーを核とした多岐にわたる事業を展開している企業です。同社グループは、試薬、機器、受託サービス、遺伝子医療の4つの主要セグメントで構成されています。
試薬セグメントでは、遺伝子工学研究用試薬の開発・製造・販売を行っており、1979年に国産初の制限酵素を発売して以来、遺伝子工学の発展に貢献しています。また、細胞分子生物学分野のClontech®製品群や幹細胞分野のCellartis®製品群、超微量核酸サンプル解析領域の製品群を強化しています。
機器セグメントでは、PCR法に必須のサーマルサイクラーなどの遺伝子増幅装置の輸入販売から始まり、PCR装置やリアルタイムPCR装置の開発・販売を行っています。さらに、シングルセル解析分野で独自技術を持つ米国WaferGen Bio-systems, Inc.を買収し、理化学機器の製造・販売力を強化しています。
受託セグメントでは、製薬企業などが進める再生・細胞医療・遺伝子治療等製品の製法開発から製造までの工程を対象とするCDMO受託に注力しています。遺伝子解析・検査関連受託や再生医療等製品関連受託サービスを展開しており、GCTP/GMPに準拠した受託製造や製造プロセス開発、バイオアッセイサービスを提供しています。
遺伝子医療セグメントでは、遺伝子改変T細胞療法やmRNAワクチンの製造に使用される製造補助剤の開発・製造・販売を行っています。また、siTCR技術を活用した遺伝子改変T細胞療法の臨床開発を進行中です。
これらの事業を通じて、タカラバイオはバイオテクノロジー分野での研究支援から産業応用支援、さらには遺伝子医療の開発に至るまで、幅広い製品・サービスを提供しています。
経営方針
タカラバイオは、遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じて人々の健康に貢献することを企業理念としています。同社は、試薬・機器事業とCDMO事業を軸に、バイオ創薬基盤技術の開発を進め、新モダリティの創出を目指しています。2020年に策定された「長期経営構想2025」では、2025年に向けた持続的成長を目標に掲げ、営業利益100億円、ROE8%以上を定量目標としています。
中期経営計画2025では、これらの目標を前倒しで達成し、営業利益150億円、ROE8%以上を目指しています。事業戦略としては、グローバルプラットフォーマーとしての地位確立、グローカルな製造・マーケティング体制の整備、品質管理工程の堅牢化・効率化、創薬基盤技術の価値最大化、研究開発プロジェクトの選択と集中による新製品/サービスの開発スピード加速を挙げています。
経営基盤強化戦略では、成長・強化領域への積極的な投資と適切な株主還元によるROE向上、会社と従業員とのつながりの深化、持続可能な社会の実現と同社グループの持続的成長の両立を目指しています。これらの戦略を通じて、タカラバイオはバイオテクノロジー分野でのリーダーシップを強化し、長期的な成長を目指しています。