事業内容
ポーラ・オルビスホールディングスとそのグループ企業は、「美と健康」に関連する多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、ビューティケア事業を中心に、不動産事業やその他のサービスを提供しています。
ビューティケア事業では、株式会社ポーラが主軸となり、スキンケアやメイクアップ製品の開発・販売、エステサービスを提供しています。特に、カウンセリング販売を重視し、全国に広がる販売パートナーを通じて製品を提供しています。また、オルビス株式会社は、スキンケア製品を中心に、通信販売や店舗販売を行っており、低中価格帯の製品を提供しています。
国際的には、Jurlique International Pty.Ltd.が無農薬有機農法で栽培された原料を使用したスキンケア製品を、H2O PLUS, LLCは「Japan Quality」と「Clean Beauty」をコンセプトにした製品を提供していますが、H2O PLUSは事業からの撤退を決定しています。
その他、株式会社ACROは「THREE」ブランドでオーガニック植物由来の美容成分を配合した製品を、株式会社DECENCIAは敏感肌向けのスキンケアブランドを展開しています。トリコ株式会社はカスタマイズ可能なサプリメントやプロテインの「FUJIMI」ブランドを提供し、POLA ORBIS Travel Retail Limitedはグループのトラベルリテール事業を統括しています。
不動産事業では、株式会社ピーオーリアルエステートが賃貸事業を行い、株式会社ピーオーテクノサービスがビルメンテナンスを担当しています。その他の事業としては、ビルメンテナンスや保険代理店業務も行っています。これらの事業を通じて、ポーラ・オルビスホールディングスグループは美と健康に関連する幅広いニーズに応えています。
経営方針
ポーラ・オルビスホールディングスは、2029年の創業100周年に向けて、感受性を刺激し、多様なブランドの個性を活かして世界中の人々の人生を彩ることをミッションとしています。同社は、マルチブランド戦略を核とし、グループ各社の自主自立を支援しつつ、経営の健全性と効率性の向上を目指しています。
中期経営計画(2021年~2023年)では、コロナ禍以前の売上高・営業利益水準の回復を目標に掲げていますが、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が遅れている状況です。重点戦略としては、国内ダイレクトセリングの強化、海外事業の利益ある成長、育成ブランドの利益貢献、新ブランド創出・事業領域の拡張、そして経営基盤の強化を挙げています。
具体的には、国内ではPOLAブランドのOMO推進や顧客基盤の統合、ORBISブランドではカスタマーデータプラットフォームの進化やスキンケア領域の戦略的拡張に取り組んでいます。海外では、中国大陸を最重点市場と位置づけ、ブランドプレゼンスの確立やオンライン・オフラインでの顧客接点拡大を進めています。
また、育成ブランドの利益貢献に向けては、THREEブランドの構造改革やDECENCIAブランドのプレステージブランドとしてのブランディング強化などが進行中です。経営基盤の強化に関しては、研究開発投資の強化や海外組織体制の再編、新規事業開発手法の複線化による事業化のスピードアップなどが挙げられます。
これらの戦略を通じて、ポーラ・オルビスホールディングスは、経営環境の変化に柔軟に対応し、長期的な成長基盤の構築を目指しています。