事業内容
Artienceグループは、Artienceを含む連結子会社56社及び持分法適用関連会社6社で構成されています。同社グループは、多岐にわたる事業セグメントを展開しており、その主要な事業内容は以下の通りです。
1. 色材・機能材関連事業: 有機顔料、加工顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料などを手がけています。主要な会社にはトーヨーカラーや東洋ビジュアルソリューションズ、海外ではToyo Ink Compounds Vietnamや珠海東洋色材などがあります。
2. ポリマー・塗加工関連事業: 缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、塗工材料、天然材料、メディカル製品などを提供しています。トーヨーケムや東洋モートン、海外ではToyo Ink (Thailand)やThai Eurocoatなどがこのセグメントに含まれます。
3. パッケージ関連事業: グラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版などを提供しています。東洋インキや海外のToyochem Specialty Chemical、Toyo Ink Indonesiaなどが活動しています。
4. 印刷・情報関連事業: オフセットインキ、金属インキ、印刷機械、印刷機器、プリプレスシステム、印刷材料などを扱っています。東洋インキやマツイカガク、海外ではToyo Ink IndiaやToyo Ink Europeなどがこのセグメントに属しています。
5. その他の事業: 原料販売、役務提供、不動産の賃貸管理、子会社の持株会社業務などを行っています。国内ではArtienceや東洋ビーネット、海外ではTIPPSや東洋油墨極東などが含まれます。
さらに、同社グループは各種取扱製品の販売も行っており、海外では東洋油墨亞洲や深圳東洋油墨などが活動しています。2023年には、リチウムイオン電池正極材用導電カーボンナノチューブ(CNT)分散体の北米第2拠点としてLioChem e-Materials LLCを設立し、タイの製缶塗料メーカーThai Eurocoat Ltd.を子会社化するなど、事業拡大を進めています。
経営方針
Artience株式会社は、人間尊重の経営を経営哲学に掲げ、世界に広がる生活文化創造企業を目指しています。同社は、顧客満足(CS)、社員満足(ES)、社会満足(SS)、株主満足(SHS)の向上を目指し、全ての企業活動を進めてきました。新たな商号と理念体系に変更し、「art」と「science」の融合を掲げ、感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来の実現に貢献することを目指しています。
中期経営計画では、2029年12月期にROE10.0%以上、2026年12月期にはROE7.0%以上を目標とし、売上高4,000億円、営業利益250億円を計数目標としています。事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、企業基盤構築とサステナビリティ経営実践をマテリアリティとして掲げています。
長期構想としては、「100年レンジでの持続的成長が可能な企業体質に変革し、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループ」を目指しています。2024年度からは新たな経営計画「artience2027/2030“GROWTH”」を設定し、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、企業基盤構築とサステナビリティ経営に取り組んでいます。
具体的な取り組みとしては、高収益既存事業群への変革、戦略的重点事業群の創出、経営基盤の変革を進めています。これには、成長領域への資源集中、販売戦略・事業戦略の見直し、ESGの観点に基づいた経営資源の強化、新人事制度やグローバルな多様性の促進、キャッシュフローマネジメントの徹底などが含まれます。
Artienceは、これらの戦略を通じて、市場での存在感を発揮し、持続可能な社会に貢献する企業として成長を目指しています。