事業内容
関西ペイントは、自社および子会社122社、関連会社25社で構成されるグローバルな塗料メーカーです。同社は、塗料の製造販売及び関連サービスを主な事業としています。国内では、関西ペイント自身が製造販売を行うほか、子会社や関連会社が製造した製品の一部を仕入れて販売しています。販売は、指定された特約販売店や販売会社を通じて行われます。海外では、主に所在地国を中心に関係会社が製造販売を担当しています。
同社グループの事業は、「日本」、「インド」、「欧州」、「アジア」、「アフリカ」の5つの地域セグメントに分けられています。日本における主要な子会社には、久保孝ペイント株式会社、日本化工塗料株式会社、株式会社カンペハピオなどがあります。インドでは、Kansai Nerolac Paints Ltd.が主要な子会社として挙げられます。欧州では、Kansai Altan Boya Sanayi Ve Ticaret A.S.(トルコ)やKansai Helios Coatings GmbH(オーストリア)などが活動しています。アジアでは、PT.Kansai Prakarsa Coatings(インドネシア)、Kansai Paint Asia Pacific Sdn.Bhd.(マレーシア)、Thai Kansai Paint Co.,Ltd.(タイ)などが事業を展開。アフリカでは、Kansai Plascon Africa Ltd.(南アフリカ)やKansai Plascon East Africa (Pty) Ltd.(モーリシャス)が主要な子会社です。その他の地域では、U.S. Paint Corporation(アメリカ)が製造を担当しています。
これらの事業活動を通じて、関西ペイントは世界各地で塗料の製造販売を行い、多岐にわたる顧客ニーズに応えています。
経営方針
関西ペイントは、塗料事業を核として、技術と人財を活かした製品・サービスを提供し、人と社会の発展に貢献することを使命としています。2020年11月には、ESGを核とする経営変革を目指す成長戦略「Good to Great」を策定しました。この戦略は、顧客との信頼関係を基に、持続的な利益成長と社会貢献を目指すものです。
2021年11月には、第17次中期経営計画を発表し、2022年4月から実施しています。この計画では、2050年の長期目標として「脱炭素の実現」「QOLの向上」「資源と経済循環の高度化」「多様な人財が活躍するグループ」の達成を目指しています。重点方針としては、「収益性強化」「成長分野への積極投資」「経営基盤の強化」を掲げており、具体的な施策としては、アフリカ事業の売却や資金調達の多様化、政策保有株式の売却などを進めています。
海外事業では、欧州セグメントの強化やインドセグメントでの自動車分野のシェア維持と収益性向上、粉体塗料ビジネスや建築分野への投資強化を行っています。日本では、収益性向上に注力し、環境対応塗料の強化や事業の再編・拡大を進めています。
また、サプライチェーンの刷新やIT投資を通じた経営基盤の強化、人財への投資を進めています。これらの取り組みを通じて、売上高5,000億円、EBITDAマージン17%、調整後ROE13%を目標とする第17次中期経営計画の達成を目指しています。同社は、これらの戦略を実行し、真のグローバル企業としての地位を確立し、持続的な成長を目指しています。