事業内容
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所及びその連結子会社である日本革新創薬株式会社(JIT)は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした医薬品の研究開発を行っています。同社グループは、開発した医薬品を製薬会社等にライセンスアウトし、収益を得ています。主な製品には、「リパスジル塩酸塩水和物(グラナテック®点眼液0.4%、グラアルファ®配合点眼液)」や「K-321」、「DW-1002」、「DW-1001」などがあり、これらはすでにライセンスアウトされています。「グラナテック」や「グラアルファ」、「DW-1002」は上市され、ロイヤリティ収入を得ています。
同社グループの売上は、ライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、臨床開発進行に伴いその節目毎に受領するマイルストーン収入、製品上市後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入等によって構成されています。
開発パイプラインには、緑内障・高眼圧症、フックス角膜内皮変性症、内境界膜染色、水晶体前嚢染色などの対象疾患を持つ製品が含まれており、これらは国内外での臨床試験段階にあります。特に、「リパスジル塩酸塩水和物」は緑内障治療剤として世界初の作用機序を有し、興和株式会社により国内外で販売されています。
同社グループは、独自の技術力を基に効率的な研究開発を行っており、比較的早期の開発段階でライセンスアウトが達成される点が特徴です。これにより、低コストでの開発体制を維持し、次なる新規開発品の開発を進めています。
経営方針
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした医薬品の研究開発に特化した企業であり、その成長戦略は、独自の科学技術を活用した新薬の創出と開発パイプラインの拡充に焦点を当てています。同社は、基礎研究から臨床開発に至るまでのプロセスに経営資源を集中させ、創薬バイオベンチャーとしての地位を確立することを目指しています。新薬開発の困難さと高コストを克服するため、同社は研究開発型から研究・開発型へのシフトを図り、自社技術に基づく新薬の継続的な研究開発とともに、他社からのインライセンスを通じた開発パイプラインの拡充に努めています。
同社の経営戦略は、ライセンスアウトによる収入の最大化を目指しており、フロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入の三つを主な収益源としています。また、新薬開発の成功確率の低下に対応するため、開発パイプラインの拡充と事業領域の拡大に注力しています。これには、基礎研究による新薬候補化合物の発見の推進、大学や企業からのインライセンス活動の積極的な進行、そして非臨床試験以降の自社開発の強化が含まれます。
さらに、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、既にライセンスアウトされている開発パイプラインの開発支援と、新たな協業の戦略的な進行にも力を入れています。独自の基盤技術であるプロテインキナーゼ阻害剤の創製に注力し、その技術を活かした新薬候補品のポテンシャルの最大化を目指しています。財務基盤の充実も重要な戦略の一つであり、開発パイプラインのステージアップや拡充を図るために、必要に応じて金融・資本市場からの資金調達を実施しています。