事業内容
鳥居薬品は、医薬品の製造販売を主たる事業としています。同社の製品ラインナップは、腎・透析領域、皮膚疾患領域、アレルゲン領域、その他の領域に分かれており、多岐にわたる治療薬を提供しています。
腎・透析領域では、「リオナ錠」をはじめとする高リン血症治療剤や鉄欠乏性貧血治療剤、「レミッチ」の経口そう痒症改善剤、「ケイキサレート」の高カリウム血症改善剤などを手がけています。
皮膚疾患領域では、「アンテベート」や「ロコイド」の外用副腎皮質ホルモン剤、「コレクチム軟膏」の外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤、「ゼフナート」の抗真菌薬などがあります。
アレルゲン領域では、「シダキュア スギ花粉舌下錠」や「ミティキュア ダニ舌下錠」を提供し、スギ花粉症やダニアレルギーのアレルゲン免疫療法薬として活用されています。
その他の領域では、「ビオスリー」の活性生菌製剤(整腸剤)や「オラデオカプセル」の血漿カリクレイン阻害剤など、さまざまな疾患に対応する医薬品を展開しています。
また、鳥居薬品は親会社であるJTと共に、国内グループ会社を対象としたキャッシュ・マネージメント・システムを統括し、資金決済等の手段として資金の預託を行っています。これにより、同社グループ内での資金効率の向上を図っています。
経営方針
鳥居薬品は、中長期的な成長戦略として「VISION2030」を策定し、その実現に向けた取り組みを進めています。このビジョンでは、医療ニーズを深く理解し、高い専門性と機動力を持って関係者との共創を進め、価値ある新薬を見いだし届けることを目指しています。具体的には、2030年までに過去最高の売上高と営業利益の更新を目標としています。
同社は、導入活動の強化と製品価値最大化のための仕組み作りを事業戦略の2つの柱として掲げています。これに基づき、中期経営計画の各施策を実施しており、2022年度から2024年度までの「中期経営計画2022-2024」を策定し、その進捗状況を報告しています。また、2023年度から2025年度を対象期間とする「中期経営計画2023-2025」も策定し、成長戦略の各施策とステークホルダーからの信頼維持策に引き続き取り組んでいます。
主要施策としては、成長期新薬の普及・育成・価値最大化、新薬開発の推進、導入体制の強化、経営戦略に沿った人事制度等の整備と働き方改革、企業風土改革などが挙げられます。これらの施策を通じて、安定供給体制の整備・強化、薬事規制の遵守と品質保証、コンプライアンスの強化、コーポレートガバナンスの強化、サステナビリティへの取り組みなど、ステークホルダーからの信頼維持にも注力しています。
鳥居薬品は、将来の成長へ向けた投資と株主還元を重要な経営課題と捉え、継続的かつ安定的な配当実施を基本方針としています。2022年度の配当は1株当たり年間100円とし、2023年度も同額の配当を実施する予定です。同社は、業績や投資の進捗を勘案しながら、中長期的な株主資本配当率(DOE)の向上に努め、同業他社と遜色のないDOE水準を目指しています。