事業内容
中外製薬は、医薬品事業を中心に展開しているグローバル企業です。同社グループは、中外製薬を含む18社で構成され、国内外で幅広い医薬品関連の事業を手がけています。
国内では、中外製薬が製造した医薬品を全国の特約店を通じて販売しています。製造面では、一部の医薬品原材料をスイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドから購入し、中外製薬工業および米国のジェネンテック・インコーポレーテッドに製造を委託しています。研究業務は、中外医科学研究所に一部を委託し、中外臨床研究センターが臨床開発業務の一部を担当しています。また、中外製薬ビジネスソリューションは事務処理業務を請け負っています。
海外事業では、欧州において中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが販売統轄会社として機能し、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドが同社の一部製品を輸入・販売しています。また、英国、フランス、ドイツでの販売活動はそれぞれの国に設置された中外ファーマの子会社が担当しています。台湾では台湾中外製薬股份有限公司が、中国では日健中外製薬有限公司が販売を行い、泰州日健中外製薬工業有限公司が生産を担っています。海外での研究開発活動は、米国、英国、中国、台湾の中外ファーマ関連会社が中心となっています。
このように、中外製薬グループは国内外で医薬品の製造、販売、研究開発に関わる多岐にわたる事業を展開しており、グローバルな医薬品供給網を構築しています。
経営方針
中外製薬は、ロシュとの戦略的アライアンスを基に、革新的な医薬品とサービスの提供を通じて、世界の医療と人々の健康に貢献することをミッションとしています。同社は、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーター」となることを目指し、社会と共に発展することを経営の基本方針として掲げています。その実践にあたり、「患者中心」、「フロンティア精神」、「誠実」の価値観に沿った事業活動を行い、革新的な創薬に集中し、持続的な企業価値拡大を図っています。
2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」では、世界最高水準の創薬力の実現と先進的事業モデルの構築を二つの柱としています。具体的には、R&Dアウトプットを10年間で2倍に拡大し、革新的な自社開発グローバル品を毎年上市できる体制の構築を目指しています。また、デジタルを活用したプロセスや価値創出モデルの再構築により、バリューチェーン全体にわたる生産性の向上と、一人ひとりの患者さんにとっての価値・製品価値の拡大を目指しています。
「TOP I 2030」の推進にあたり、中外製薬は「創薬改革」「開発改革」「製薬改革」「Value Delivery改革」及び「成長基盤改革」の5つの改革を掲げています。これらの改革を通じて、創薬及び早期開発に全社資源を集中し、デジタル技術の効果的な活用と積極的な外部連携を図り、創薬技術の多様化とスピードの加速を目指します。また、持続可能な医療の実現に向けた社会課題への積極的な取り組みも進めています。
中外製薬は、これらの戦略を通じて、未だ治療法が存在しない、または治療満足度が低いアンメット・メディカルニーズに応え、社会のニーズに対応することで、企業としての成長機会を追求しています。