事業内容
沿革・会社概要
Techpoint, Inc.(テックポイント)は米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置くファブレス半導体企業。2012年、小里文宏氏によって創業された。2014年、独自規格である監視カメラ搭載用HD解像度クラスの映像送信用、受信用半導体「HD-TVI(HDトランスポートビデオインタフェース)」を発表し、初出荷を完了。2017年に東京証券取引所マザーズ市場に新規JDR上場を果たした。
事業内容
Techpoint(テックポイント)は、監視カメラシステムおよび車載カメラシステム市場において、多様なカメラやデジタル・ビデオ・レコーダー製品向けのアナログ・デジタル混載半導体の設計、マーケティング、販売を行っている。自社工場を保有せず、外部製造専門会社に製造を委託する「ファブレス」型のビジネスモデルを採用している。
Techpointは先端アナログ技術とデジタル技術 を保有しており、監視カメラ及び車載カメラ向け送信用半導体並びにカメラで撮影された映像を記録するための装置「デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)」向け受信用半導体を提供している。
監視カメラ又は車載カメラ及びDVRにTechpointの送受信用半導体を使用することによって、監視カメラシステム及び車載カメラシステムにおいて、従来型のSD解像度 (SD:スタンダード・ディフィニション)より鮮明に対象物を映し出せるHD解像度(HD:ハイ・ディフィニション)に高画質化したシステムを実現することができる。
さらに、従来型SD解像度カメラで使用されている安価な同軸ケーブルを伝送媒体に用いながら、HD画質の映像を圧縮せずにアナログ方式で信頼性の高い伝送をすることができる。
この方式は、監視カメラ業界では「HDアナログ伝送」と呼ばれており、現在世界中で多数の監視カメラシステムメーカーに採用されている。Techpointは、HDアナログ伝送方式技術をベースに完成品メーカー別の要望に合わせたカスタム半導体を開発することによって、目標としている市場でより高い市場占有率を獲得していることが特徴だ。
強み
Techpointは、米国に複数の設計拠点と、中国、台湾、韓国、日本の各地にオフィスを持ち、ターゲット市場において最先端の技術を確立した。これによりTechpointは、HD監視カメラおよびHD車載ビデオ市場において高い市場占有率を迅速に築くことに成功した。
2014年に、監視カメラ市場向けの新技術「HD-TVI(HDトランスポートビデオインタフェース)」を発表して以降、Techpointは業界の注目を集めてきた。この新技術は従来のアナログケーブル(同軸ケーブル)を使いながらHD画質の映像伝送が可能であることから、「HDアナログ」と呼ばれ、これまでにHikvisionや、AVTech、IDIS、TVTなど多数の主要な監視カメラメーカーに採用されている。
HD-TVIは、非圧縮HDビデオ信号を取り込み、アナログ伝送技術を活用して、標準的な低価格の3C-2V同軸ケーブルにより500メートル以上の距離を伝送できます。この技術の場合、映像の符号化や復号などのデータ圧縮処理が不要なため、伝送遅延が生じないというメリットがあります。イーサネットなどデータ圧縮が必要な他方式に比較して、圧縮処理が不要なため、周辺回路の低コスト化やリアルタイム性の求められる用途で強みがある。また、デジタルLVDS伝送に比較して長距離伝送が可能であり、ケーブルコストも低く、伝送の信頼性も高い。
成長戦略
Techpointは、自動車のリアカメラ(バックカメラ)システムや、サラウンドビューカメラシステムで映像をやりとりするための半導体の設計開発も行っている。ナビなどのディスプレイに、フルハイビジョンの映像を表示することができるため、今後の自動運転が可能な自動車への搭載を目指している。
Techpointは、今後もさらに、監視カメラシステム市場、および車載カメラシステム市場に向けて、付加価値の高い半導体製品を開発し、提供していくことを予定している。なかでも、4Kといった高画質映像をスムーズに伝送する技術に磨きをかけながら、顧客の要求に応えることで、収益の拡大を目指す戦略を採っている。