事業内容
日油は、機能化学品、医薬・医療・健康、化薬の三つの主要な事業セグメントを持つ企業です。これに加え、運送や不動産などの事業も展開しています。日油グループは、国内外に31の子会社と5つの関連会社を持ち、幅広い事業活動を行っています。
機能化学品事業では、脂肪酸やその誘導体、界面活性剤、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体、有機過酸化物、石油化学品、機能性ポリマー、電子材料などを製造・販売しています。主要な関連会社には、日油工業や常熟日油化工有限公司などがあります。
医薬・医療・健康事業は、食用加工油脂・食品機能材、健康関連製品、生体適合性素材、DDS医薬用製剤原料などを取り扱っています。このセグメントには、日油商事やNOF AMERICA CORPORATIONが関与しています。NOF EUROPE GmbHもこのセグメントに含まれています。
化薬事業では、産業用爆薬、宇宙関連製品、防衛関連製品、機能製品を提供しています。日本工機や日油技研工業、北海道日油などがこの分野で活動しています。2024年4月には、日本工機が北海道日油を吸収合併する予定です。
その他の事業として、ニチユ物流が運送業を、日油商事が不動産業を手がけています。これらの事業は、日油の多角的なビジネス展開を支える重要な要素となっています。
経営方針
日油は、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループ」として、持続的成長を目指しています。経営理念に基づき、「挑戦」「公正」「調和」の価値観を重視し、社会と共に成長することを目指しています。これを実現するために、日油は「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の三つの重点分野に経営資源を集中させています。
日油の中期経営計画「2025中期経営計画」では、「実践と躍進」を基本方針とし、事業拡大、新製品・新技術開発、生産性向上、安全・安心の追求、CSRの推進を重点課題としています。特に、機能化学品事業では化粧品ODMラインの増設、医薬・医療・健康事業ではDDS医薬用製剤原料の製造設備の新設を進めています。
新製品・新技術開発の加速に向けては、オープンイノベーションを活用し、産学官連携やベンチャーキャピタルとの協力を推進しています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた人材育成や、データサイエンスを活用した研究開発の効率化を図り、スマートファクトリー化を進めています。
CSRの推進では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティを特定し、豊かで持続可能な社会の実現に向けた新たな価値の提供、事業基盤の強化、レスポンシブル・ケア活動の推進を行っています。特に、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた施策や、気候関連情報の開示を強化しています。
日油は、これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、国際競争力のある強靭な企業体質を築くことを目指しています。