事業内容
大阪有機化学工業株式会社とその連結子会社2社は、有機化学工業薬品の製造販売を主な業務としています。同社グループは、化成品事業、電子材料事業、機能化学品事業の3つの事業セグメントを展開しています。
化成品事業では、塗料、粘接着剤、インキ向けの特殊アクリル酸エステル及びアクリル酸の製造販売を行っています。エステル化技術、蒸留精製技術、重合防止技術を駆使し、自動車や建築用の塗料、粘接着材、コーティング材やエレクトロ分野へのポリマー原料を多品種少量生産で提供しています。
電子材料事業では、ディスプレイや半導体向けの電子材料の製造販売を手掛けています。アクリル酸エステル類の光硬化性や、アクリル酸エステルから誘導化した機能性ポリマー製品を電子産業分野に供給しています。
機能化学品事業では、化粧品向け原材料や機能材料などの製造販売を行っています。エステル化技術やポリマー合成技術を活用し、頭髪用機能性ポリマー製品、各種中間体原料、特殊溶剤などを関連産業分野に展開しています。
これらの事業を通じて、大阪有機化学工業株式会社は、高い技術力と少量多品種生産システムを用いて、様々な市場のニーズに対応しています。
経営方針
大阪有機化学工業株式会社は、新中期経営計画「Progress & Development 2030(P&D 2030)」を推進しています。この計画では、2024年11月期から2030年11月期までの目標を設定し、連結売上高を500億円以上、連結営業利益を75億円以上、営業利益率を15%以上にすることを目指しています。また、戦略投資・事業投資には累積300億円以上を投じる予定です。同社は、特殊アクリル酸エステルのリーディングカンパニーとして、グローバル市場に価値を提供することを経営ビジョンに掲げ、ESGに配慮したサステナブル経営を推進しています。
事業領域における基本戦略としては、最先端半導体材料の開発加速、LCD用レジスト技術の非ディスプレイ用途展開、親水性ポリマー技術の新規用途展開、有機圧電材料や伸縮性エラストマー材料の開発など、重点領域の拡充を図っています。また、バイオマスアクリレートの開発や非化石原料由来のアクリル酸開発など、環境に配慮した材料開発にも注力しています。
海外戦略の強化としては、中国、韓国、北米への販売会社設置や現地生産の強化、ASEAN・インドへの販路拡大を目指しています。非事業領域では、カーボンニュートラル実現、廃棄物削減、資源再利用によるサーキュラーエコノミーの推進、IT・DXの推進による品質向上や生産性の向上、人的資本経営の実行など、持続可能な社会への貢献を目指しています。