事業内容
日本触媒は、化学品の製造販売を主な事業内容としており、その事業は主に「マテリアルズ事業」と「ソリューションズ事業」の二つのセグメントに分かれています。
マテリアルズ事業では、アクリル酸やアクリル酸エステル、高吸水性樹脂などの製造販売を行っています。このセグメントにおいて、日本触媒は直接製品を製造販売するだけでなく、日本触媒トレーディングを通じて製品の販売や原材料の供給も行っています。また、海外では、ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズInc.が米国で高吸水性樹脂を製造販売し、PT.ニッポンショクバイ・インドネシアがインドネシアでアクリル酸やアクリル酸エステル、高吸水性樹脂の製造販売を手掛けています。
ソリューションズ事業では、コンクリート混和剤用ポリマーやセカンダリーアルコールエトキシレートなどの製造販売を行っており、日宝化学㈱がヨウ素や医薬・農薬原料などを、東京ファインケミカル㈱が安定剤や防腐剤などを製造販売しています。さらに、日触テクノファインケミカル㈱は金属塩などを製造販売し、日本乳化剤㈱は界面活性剤や化成品を手掛けています。
また、日触物流㈱は、日本触媒の製品運送を主に行っており、全ての事業セグメントに携わっています。これらの事業を通じて、日本触媒グループは幅広い化学品市場でのニーズに応えています。
経営方針
日本触媒は、化学品の製造販売を行う企業であり、その成長戦略は「TechnoAmenity for the future」と題された長期ビジョンに基づいています。このビジョンの下、2022年3月には中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」が策定されました。この計画では、2024年度までの3年間で、事業の変革、環境対応への変革、組織の変革の3つの主要な変革を推進し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることで、経営目標の達成を目指しています。
具体的には、マテリアルズ事業においては、収益力強化を目的とした「SAPサバイバルプロジェクト」の進行や、酸化エチレン(EO)及びその誘導品への水平展開(EOレジリエンスプロジェクト)を進めています。また、カーボンニュートラル対応として、環境に優しい製品の開発や販売を強化しています。
ソリューションズ事業では、保有技術や既存製品の用途展開を進め、成長分野での戦略製品群の拡販を目指しています。特に、電池分野での他社との協業検討を開始するなど、新たな市場への進出も視野に入れています。
さらに、組織全体としてDXを推進し、事業の効率化と競争力の強化を図っています。これらの取り組みを通じて、日本触媒は、2030年に向けた長期ビジョンの実現を目指しており、社会から必要とされる素材・ソリューションの提供、社会の変化を見極め進化し続ける化学会社への成長、そして社内外の様々なステークホルダーと共に成長することを目標としています。